「Future and the Arts AI, Robotics, Cities, Life」
「未来と芸術展」でもう一つ注意を引かれたのは、ビデオ映像の出展物だった。ある A I のアルゴリズムが結果的に5人の人間を殺してしまい、 A I が被告として裁判にかけられる。A I が有罪か無罪かを陪審員たちが議論する、という架空ドラマだ。この場面の字幕のように、A I が「感情を理解したり、善悪の判断能力があるかどうか」が議論の焦点になる。
ロボットが人間と敵対するというS F 映画は無数にあるが、このビデオはそれと共通したところがある。歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリは、「今日の S F 映画の罪は、ロボットやA I が人間と戦争するのではないかという過剰な心配を抱かせることだが、それは知能と意識を混同しているからだ。」と言っている。このビデオの場合でいうと、A I は憎しみや怒りといった「意識」で人を殺したのではなく、学習した「知能」によって論理的な判断をして殺しただけ、ということになる。
だからハラリは「恐れるべきはA I ではなく、A I によって強力な力を持った少数の人間である。」と強調する。ハラリ自身は言っていないが、どこかの独裁国家がビッグデータによる高度なA I を使って、国民を監視する超管理社会を作るのではないか、といった最近の報道のことを思いだす。
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