11 歳の少女ライリーの脳の中に、感情をコントロールする司令部があり、「ヨロコビ」「カナシミ」などの担当者が少女の感情や行動を制御している。同書によれば、わくわく大冒険とハッピーエンドで楽しく仕立てた映画ゆえに、ほとんどの観客が気づかなかった過激なメッセージが背後に隠されているという。「ディズニーの無数の映画で、主人公は危険や困難に直面するが、最後にはそれを乗り越えて正真正銘の自己を見つけ、自分の自由な選択によって勝利する。しかしこの映画は、その神話を情け容赦なく打ち砕く。ライリーは正真正銘の自己など持っておらず、自由な選択など一つもしていない。つまりライリーは、生化学的メカニズムによって管理されているロボットなのだ。」と言っている。
ロボット対人間の戦いという構図の S F 映画はたくさんあり、多くは、「心」を持つ人間が、最後にロボットに勝って自由を得る。しかし、そもそも人間の「心」は、生まれて以来、繰り返されてきた「操作」によって作られたものだから、ロボットがプログラムされているのと何ら変わりはない。「本当の自分」など存在しないことをこの映画は暴露しているというのだ。しかも映画は神経生物学の最新の知見をもとにしていて、架空の話ではないから、なおさら怖いと言っている。
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