Exhibition "Impossible Architecture"
はるばる浦和(埼玉県立近代美術館)まで行ったかいがある面白い企画展だった。画期的な設計なのに、紙の上だけで終わってしまったアンビルト建築をスケッチや模型で見ることができる。例えば有名な「第3インターナショナル記念塔」が CG 動画で再現されていたが、こんなに巨大なものだったということを初めて知った。
丹下健三の東京都庁舎は中世の大聖堂を模した高層ビルで、権威主義的建築と批判されることが多い。しかし磯崎新はその都庁舎コンペに参加しながら、高層ビルという設計条件を無視して、低層の横長ビルを提案した。そこには縦割り行政を解体し、都民に開かれた都政を、という想いがあったが、本人の予定どうり落選した。このように多くのアンビルト建築は、実際に建てることよりも、作者の批判精神を表明したり、建築の理想を提案するためのものだった。
その批判をパロディにした「都庁舎はこうだった方が良かったのでは?」という会田誠の作品が面白かった。そんなに東京の権力の象徴が欲しいなら、いっそのこと江戸城を上にひき伸ばした形の高層ビルにすればいいじゃんと皮肉っている。
そんな中、ザハ・ハディドの例の新国立競技場は、コンペに勝った「ポシブル建築」だったのに、寄ってたかって引きずり降ろされてしまったかわいそうな例としてあげられていた。惜しいことになった傑作だった。
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