2018年9月21日金曜日

映画「ジェイン・ジェイコブズ    ニューヨーク都市計画革命」

"Citizen Jane Jacobs for the City"

古い街の「地上げ」をして住民を立ち退かせて、”快適な街作りのために” 高層住宅を建てる。デベロッパーと行政が結託して都市再開発プロジェクトが行われていく。

これに猛然と反対運動を起こしたのがジェイン・ジェイコブズという主婦だった。古い街は汚く人混みで溢れていて、路上で子供たちが遊んでいたり、屋台のおじさんが商売をしていたり、雑然としているが、そこはいろいろな人が集まってくる楽しい場所で、住民の共同のコミュニティがある。それを高層ビルが壊してしまう。

最後にジェインは勝つ。今ではその頃建てられた高層住宅が住む人のいないゴーストタウン化してどんどん爆破されていて、彼女の主張の正しさが証明されている。これはニューヨークの話だが、日本でも同じことが行われたのは記憶に新しい。そして今は新興国でも同じことが進んでいる。

新築なのに入居者がいないゴーストタウンの中国の高層住宅や、スラム街をなくすためにメキシコ政府が低所得者用に作った "整然"とした住宅 。どちらも人間の住む所とは思えない恐ろしい光景だ。

そもそもこういう都市再開発のコンセプトを初めて考えたのは ル・コルビュジェで、「マシンシティ」などの都市計画を提案した。幹線道路を中心に高層住宅を作り、住職分離をした都市で、都市を機能的な「機械」にするという考え方だった。”街”や”住民”が不在のこの思想が都市の新しい理想像とされるようになっていった。映画でもニューヨークがコルビュジェの考えを応用したことが語られている。

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