2018年9月7日金曜日

イサム・ノグチの母レオニー

Leonie

イサム・ノグチ展(東京オペラシティ  アートギャラリー)を見たのを機に映画「レオニー」をDVD で観た。イサム・ノグチを芸術家に育てた母レオニーの半生を描いている。( 2010 年、日米合作映画)

詩人の野口米次郎との間に息子イサムが生まれる。日本に渡ったものの、夫には本妻がいるうえに、閉鎖的な日本社会で自分の居場所がない。運命に翻弄されるレオニーだが、イサムを芸術家にするという信念は揺るがない。家を新築する時、まだ少年のイサムに家の設計をさせたり、大工にカンナの掛け方を習わせたりする。青年になると名門医学校に合格するのだが、無理やりやめさせて美術学校に通わせる。

アメリカでも日本でもよそ者扱いされて、居場所を探し求めた母レオニーの精神を受け継いで、イサムはどこにも属さない国際人芸術家になっていく。ラストシーンで札幌のモエレ沼公園にあるイサムの作品の下でレオニーが座って遠くを眺めている。そこにイサムのナレーションが重なる。「私は母の想像力の落とし子なのですね」 もちろん実際はこの公園ができるよりはるか昔にレオニーはこの世を去っているのだが。


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