2018年9月3日月曜日

イームズ、ヤコブセン、コルビュジェ、 などの名作家具が登場する映画

Famous furniture in movies

有名デザイナーの作品が映画に登場することがあるので、それらを集めてみた。ほとんどが椅子だが、なぜその場面で使われているかには意味があることが多い。またモノとしては知っている有名な椅子も映画で見ると、使われ方の文脈が分かり、そのデザインの使用価値が見えてくる。


デ・スティルの巨匠リートフェルトの歴史的名作「赤と青の椅子」が「アドルフの画集」に一瞬だけ出てきて目を引いた。画家志望のヒトラーを援助するユダヤ人画商の自宅のシーン。現代絵画専門の画商らしく室内はモダンデザインで統一されている。

「ル・コルビュジェとアイリーン」はインテリデザイナーのアイリーン・グレイとコルビュジェとの人間模様を描いた映画。自身が設計した海辺の別荘のシーンに彼女の家具が次々に登場する。どれも 90 年前とは思えない先進的なデザインだ。

イームズの最高傑作「ラウンジ・チェア」は、日本でも100 万円くらいする高級家具。「喝采の陰で」で、劇作家の家へ押しかけ同居しにくるハリウッド女優が唯一の引越し荷物で持ってくるのがこの椅子。座りごこちが良すぎて身体の一部のようになっている。

MOMA の永久展示品になっているコルビュジェのソファが「赤ちゃんはトップレディがお好き」に登場する。バリバリのキャリアウーマンの高級マンションにオフィスで使われることが多い硬い感じのこの椅子をセットで置いている。仕事人間の主人公のアイコンだ。

北欧家具といえばデンマークのヤコブセンだが、代表作の「エッグチェア」が「幸せはパリで」で効果的に使われている。現代絵画のコレクションが趣味の会社社長の自宅に置かれたこの椅子が彼の自己顕示欲の象徴になっている。


この「幸せはパリで」の社長夫人(カトリーヌ・ドヌーヴ)は金にあかした生活に飽きていて、不倫して駆け落ちをするのだが、相手の男も妻のインテリア改装趣味に嫌気がさしている。性格の不一致や価値観の違いが離婚の理由というが、それが具体的な形で現れるのがインテリアの趣味の不一致ということだ。また「ローズ家の戦争」という映画の場合は、夫婦二人が協力して家のインテリアを作り上げてきたのだが、離婚することになると家の奪い合いになる。お互いに我が子のように育てたインテリアだから、売ってお金を2分するという単純な話にはならない。家具が持ち主の人格の一部のような存在になる文化が根底にあるからで、ニトリ的応接セット文化からはうかがい知れないないものがある。

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