2018年7月29日日曜日

藤田 と FOUJITA

Foujita

藤田嗣治展が始まる。( 7 / 31 ~  東京都美術館) 藤田について調べていたら、こんなことに気がついた。藤田には3つの時代があるが、それぞれでサインが変化している。


(1)パリ時代は、日本画の手法を取り入れた絵で活躍したが、漢字の「嗣治」と藤田のフランス語綴りの「Foujita」が併記されている。

(2)戦時中の日本で陸軍美術協会理事長として率先して戦争画を描いていた時代は、ローマ字ではあるが日本語で「T. Fujita」となっている。

(3)戦後、フランスでカトリック教徒になり、教会の宗教画を描いていた時代には「Leonard Foujita」で、洗礼名レオナールと、もとの「Foujita」になっている。


自らを「お調子者」と呼んで変な日本人を演じていたパリ時代から一転、戦時中の日本では展覧会場で自作「アッツ島玉砕」の前に軍服姿で立ち、観客に向かって敬礼し続けるという軍国主義者を演じていた。そのため戦後は戦犯扱いされてフランスへ「亡命」せざるを得なかった。サインの変化は時代に翻弄された藤田の生涯を物語っているように思える。
(写真は 2015 年の映画「FOUJITA」より)

0 件のコメント:

コメントを投稿