2017年12月22日金曜日

読書禁止社会のディストピア映画

Dystopia movies of book ban society

本によって大衆が知識・情報を知ることは権力者にとって不都合なことが多いから、読書禁止はいつの時代にも行われてきた。現在でもネット規制や言論統制をする国があるのも同じで、今につながっている。そんな暗い社会がテーマの秀作映画5つ。


「アレクサンドリア」 古代ローマの高度な文化を象徴する大学兼図書館で天文学の研究をしている主人公の女性は4世紀に実在した人物。キリスト教が暴力的な手段で勢力を拡大していた時代で、暴徒化した信者たちが襲撃して主人公を殺し図書館の本を燃やす。神が唯一絶対のキリスト教にとって科学や知識は敵だ。

「神々のたそがれ」 中世が暗黒時代と呼ばれる理由がよく分かる究極のディストピア映画。キリスト教会がヨーロッパの支配者だったこの時代、読書は厳重に禁止されていた。本を隠し持っている人間を探し出し、その場で首吊りの処刑をする恐怖の社会が暗く描かれている。

「薔薇の名前」 同じく中世。民衆が神の教えに疑問を持たないよう、本は人目に触れない修道院内の秘密の図書館に隠されている。印刷術が無いこの時代、本は修道僧たちが筆写して、自分たちで独占している。それでも本を盗み見ようとする者の運命は・・ 連続殺人事件の謎解きがされていく名作ミステリー映画。

「やさしい本泥棒」 全体主義ナチスは「非ドイツ」的な本を弾圧し、摘発した本を積み上げ火をつける焚書を行った。ある有名作家が「本を焼くものは、やがて人間も焼くようになる」と予言したが、歴史はその通りになった。一人の少女が火の中からそっと一冊の本を抜き取りポケットに入れて・・・

「華氏451」 本禁止の全体主義国家を描いた SF 映画。情報は全て政府が流すテレビ番組だけに統制されているディストピア社会。警察が本を取り締まり、見つけしだい火炎放射器で持ち主ごと焼いてしまう。山奥に逃げた人々は一人一冊の本を丸暗記することで「人間の本」になり、人類の遺産を残そうとする。

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