Movie "Hannah Arendt" & "Experimenter"
いま NHK の「100分 de 名著」という番組でハンナ・アーレントを4週連続で放映している。(「全体主義の起源」 9 / 4、9 / 11、9 / 18、9 / 25 ) 世界中に広がる「〜ファースト」的ないやな空気を反映して、アーレントの本が改めてベストセラーになっているようだ。しばらく前にアーレントの映画がきた時も連日超満員になる程の話題になった。
映画「ハンナ・アーレント」
思想家ハンナ・アーレントはアイヒマン裁判を見て、何万人ものユダヤ人を平然と殺したアイヒマンが異常人格者などではなく、命令に忠実だっただけの真面目で無知な小役人だった、という衝撃的な結論を出す。そして「悪は凡庸な人間が行う」と主張する本を書く。しかしアイヒマンと同じ悪を誰でも行えるという考えはナチスの弁護につながるとして世界中から非難を浴びる。映画の最後の数分間、アーレントが自説を演説し続けるシーンが迫力満点だった。
ハンナ・アーレントのこの主張と関連する新しい映画が今春公開された。
映画「アイヒマンの後継者」
普通の人間が誰でも残虐なことができるというハンナ・アーレントの主張が正しいことを、ミルグラムという心理学者が実験によって実証した。それをドキュメンタリータッチで描いた映画。「ギャー!」「止めて!」という声が聞こえているのに被験者は高圧電流のスイッチを押し続ける。自分も含めて誰もが「アイヒマンの後継者」になれるということだから恐ろしい。
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