Olympic Medal
今回のパリオリンピックで日本は、米中に続いて世界3位のメダル数を獲得した。各国のメダル獲得数と政治・経済との関係を分析した研究がある。ここでは京都産業大学の鈴木清巳教授の分析を紹介する。「人口」「GDP」「政治体制」の3つを指標にして各国を比較している。なお前回の東京オリンピックでのデータ(下図)に基づいている。
この表のメダル獲得数上位 20 か国だけで、総メダル数の7割以上を獲得しているが、それらの国は、以下の三つの類型に分けられる。
① GDP の規模が大きな先進資本主義国。アメリカ、イギリス、日本などの G7 各国はすべて 10 位以内に入っている。
② 国家の資源を集中的に選手の動員・強化に投下できる権威主義国家。中国がその代表だが、メダルの絶対数ではアメリカに次いで2位でも、人口比のメダル獲得数は、20 か国中の最下位だ。要するに人口の多さでメダル数を稼いでいる。また中国は最も人権が制限されいる(表の一番右の欄)専制国家の利を生かして、選手を動員し強化できる。また中国の人口1人あたりの GDP 比でいうと、メダル数は①の国に比べて4分の1程度しかない。つまりスポーツが国民のためよりも国威発揚のためのものであることがわかる。
③ 中小規模国であってもスポーツ育成を国策として注力している豊かな国。オーストラリア、オランダ、がそれで、人口比メダル数では20 か国中ダントツのトップだ。
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