「The Siege」
「マーシャル・ロー」は、ニューヨークに住むイスラム教徒の姿を描いた映画で、アラブ系テロリストによる相次ぐテロ事件に直面するFBI 捜査官を描いている。この映画は2001 年の 9,11 多発テロ事件より3 年前の1998 年公開で、事件を予見していたかのような映画だ。実行犯はこの映画を参考にして犯行に及んでいたのではないかとまで言われたという。
テロリストがバスジャックをして乗客を人質にしてバスの中に立てこもる。最後に人質ごとバスを爆破してしまう自爆テロだった。相次ぐテロ事件に危機感をおぼえた政府は戒厳令を発して、軍隊を出動させる。このシーンで遠くに貿易センタービルがまだ健在で、中央にはブルックリン橋があり、アラブ系移民の多くが住むブルックリン地区に軍隊が突入する。
軍隊はアラブ系住民をかたっぱしから拘束し、テロ組織のメンバーと疑わしい人間を拷問にかけて取り調べを行い、自白しないとただちに射殺してしまう。指揮している軍の司令官は”アメリカの正義”を守るためと称している人種差別主義者だ。アラブ系とはいえ立派なアメリカ人に対して人権無視の違法行為を平然と行っている。司令官の不法な行為に対して猛然と抗議する主人公の FBI 捜査官が最後に司令官を逮捕してしまう。
若者がイスラム教のモスクを襲撃して銃を乱射する事件がたびたび起きているが、そういうアメリカ人の反アラブの感情がこの映画の背景にある。そして国家レベルでも、 9,11 事件の後、テロリストを殺すためとして、ブッシュ大統領はイラクに軍事侵攻して、たくさんの民衆を殺した。映画の軍司令官のやったことをブッシュ大統領が3年後にそのまま実行したのだ。そしてアメリカ式 ”民主主義” に対して世界中から非難を浴びた。(今イスラエルがやっていてアメリカが支援していることも同じ。)この映画が 9,11 を予告していたといわれるのはそのためだ。
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