2021年2月8日月曜日

日本の印象派

 Japanese impressionism

日本の印象派画家はあまり知られていないが、大正時代の児島虎次郎と太田喜二郎のほぼ2人だけのようだ。二人ともヨーロッパに留学して、印象派絵画を学び、作品は高く評価された。しかし帰国すると、日本では全く受け入れられず作品は酷評された。印象派特有の筆触分割に対して技巧的すぎるとか、明るく鮮やかな色彩が装飾的すぎるなどと言われたという。それで児島虎次郎は帰国後もフランスの展覧会に出品し続けたという。
(図上:児島虎次郎「和服を着たベルギーの少女」、図下:太田喜二郎「田植」)


二人が学んだのは、フランスではなくベルギーで、ベルギー印象派の巨匠エミール・クラウスに師事した。クラウスは、逆光のもとで対象を捉え、まばゆいばかりの光にあふれた絵を描いた。「光」(ルミエール)を描く手法は「ルミニスム」と呼ばれた。日本の二人にもその影響が表れている。(「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展(2003年)図録による)


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