Post-modern architecture in 「Brazil」
ポストモダン建築は 1 9 8 0 年頃に、新時代の建築理念として鳴り物入りで登場したが、あっという間に廃れて、一過性の流行で終わった。モダニズム建築の合理性を否定して、あえて無駄だらけの建築を作った。日本でもバブルの頃だったので、ポストモダン建築が大流行したが、その代表が東京都庁舎で、「バベルの塔」ならぬ「バブルの塔」と呼ばれた。様々な建築様式をまぜこぜにして、ごった煮のようなデザインをしたが、東京都庁舎のツインタワーもパリのノートルダム大聖堂をモチーフにしている。また庁舎に隣接する広場を半円形に囲んだ列柱回廊があるが、ローマのサン・ピエトロ大聖堂あたりの引用だろう。
そのパリ郊外に、もっと大規模なポストモダン建築がある。「アブラクサス」という集合住宅で、中央広場の「凱旋門」や、古代の円形競技場をモチーフにした「劇場」や、1 8 階建ての「宮殿」などからなる。ローマ建築風の入り口や列柱回廊があったり、アール・デコ風の飾りがあったりと大げさな装飾だらけだが、圧迫感のある高層ビルや昼間でも薄暗い通りなど、閉鎖的で威圧的なデザインに批判が集中したという。
テリー・ギリアム監督の映画「未来世紀ブラジル」は、舞台にこの建築を使っている。政府による国民の情報管理が徹底した 未来社会を描いたディストピア映画だが、”未来的な情報社会” と ”未来的な建築” が、共通して非人間的であることを暴いている。(画像は同映画より)
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