Vanitas
1 7 世紀オランダでは経済的な発展で、庶民が絵を買うようになり、絵は一般受けを狙うようになる。代表がフェルメールなどのような庶民の生活を描く「風俗画」だが、静物画でも「ヴァニタス」というジャンルが生まれた。「ヴァニタス」とは「むなしさ」の意味で、「生のはかなさ」「快楽の空しさ」「死の確実さ」などを想起させる人生訓的な絵画だった。
「ヴァニタス」では、死を象徴する頭蓋骨が必ず描かれた。他にも「むなしさ」を象徴するモチーフが組み合わされた。人生に限りがあることを意味する「時計」、知識や学問もやがて無価値になるという意味の古びた「書籍」、刹那的な人生を表す「楽器」、享楽的な生活を表す空の「ワイングラス」、炎が消えてしまった「ろうそく」、などなど。図像に言葉的な意味を持たせる絵画(寓意画)だった。
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