Imitation Game
「イミテーション・ゲーム」はすごい映画で、繰り返しDVDで見てしまうが、かんじんの題名「イミテーション・ゲーム」の意味を誰も説明していないので、分からないでいた。
第二次世界大戦中、ドイツ軍の暗号を解読して、イギリスの勝利に貢献した天才数学者のアラン・チューリングの実話にもとずくドラマだが、当時まだ名前さえなかった「コンピュータ」を発明することで、それに成功した。しかし戦後になってチューリングは同性愛の罪で逮捕されてしまう。最近になって、イギリス政府がその非を認めて、名誉回復され、コンピュータの父と呼ばれるまでになった。
科学技術の進歩が人類の未来に何をもたらすかについて書いた「ホモ・デウス」を読んでいたら、偶然アラン・チューリングの話が出てきて、「イミテーション・ゲーム」の意味がやっと分かった。チューリングは、将来コンピュータが高度に発達して、人間と区別がつかなくなった場合、どうやってそれを見分けるか、その方法として「チューリング・テスト」というものを提案した。会話している A と B のどちらかがコンピュータで、それを別室で聞いている C が、どちらがコンピュータかを判別できるか、というテストだった。判別できなければ、そのコンピュータは人間に近いことになる。それは人間のふりをしているコンピュータを見破る方法なので「イミテーション・ゲーム」とも呼ばれた。映画の題名はそこからきている。(チューリングが同性愛者でないふりをしていたことと重ねている。) それにしても、 AI 時代の今ではなく、 1950 年代のことだからすごい。
そういえば「ブレード・ランナー」でも、見た目が人間と見分けがつかない犯罪ロボットを取り調べる捜査官が、感情を刺激する質問をして、「心」のある返事をするかどうかでロボットか人間かを見分けようとするシーンがあった。
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