歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは「ホモ・デウス、テクノロジーとサイエンスの未来」で、人類の最大の敵は、飢饉、疫病、戦争、だったが、この3つは今では完全ではないものの、なんとか押さえ込んで、制御不可能な脅威ではなくなった、と言っている。疫病にしても、現在大騒ぎの感染症の死者は、かつてに比べればわずかなものになった。感染症の恐怖は、たくさんの絵画に描かれてきた。(コメントは同書より)
ウイルスの存在など知らなかった中世の人たちは、感染症は人間の理解を超えた恐ろしい魔物の軍団のように思っていた。この絵では骸骨の姿に擬人化した疫病神が大刀をふるって人間を刈っている。
ペストは皮膚に発疹を起こし、体が膨れ上がり、最後は全身黒くなって死ぬから、黒死病とよばれた。その恐怖をグリューネヴァルトは生々しく描いている。グリューネヴァルトは聖人と悪魔の闘いなどの絵で有名だが、自身もペストで死んだという。
1 4 世紀のペスト(黒死病)の死者は、アジア・ヨーロッパの全人口の4分の1を超えたという。通りには無数の死体が転がり、腐るにまかせていた。
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