廃屋が好きで、たびたび北海道へ廃屋探しに行く。廃屋の魅力をなんとかパステルで絵にしたいと思い、ここ何年かチャレンジしている。
「海辺の廃屋」30号 (2014年 日本パステル画会展)
釧路方面から襟裳岬の方へ向かう十勝地方の海岸で見かけた風景。海からの強い逆光を背景に漁師小屋の廃屋と廃船がシルエットで浮かびあがっている。これは絶対逃せないと思い、片側一車線の道路だが強引に車を停めて、瞬撮した。その間数秒だが、いまだに強烈に印象に残っている。イメージがなかなか表現できず、今回は3回目のトライ。
「海辺の廃屋」40号 (2013年 現代パステル協会展)
根室から網走に向かうオホーツク海の海岸にあった水産加工工場か何かだったような廃屋。3月の残雪、周りの何も無い原野、鉛色の曇り空、など、寂しさを増幅する道具立てがそろった光景。ぽつんと取り残された感を出すために画面中央に小さめに配して描く。この廃屋はとても造形性を感じる。
「オホーツク • 冬」40号 (2010年 現代パステル協会展)
廃屋ではなく廃船だが、これも北海道でよく見かける好きなモチーフ。冬のオホーツ海沿いで見つけた寒く暗い風景だが、廃船がぴったりと合っている。夏と違って冬の北海道は、「寒い」「暗い」「寂しい」が3大キーワードで、それを求めて出かけていく。現場にあった船は壊れ方が少なかったので、絵では他の場所にあったものに置き替えた。それにしても裂けかたがすごい。
「オホーツク海残照」30号 (2008年 高潮展)
北海道北端の稚内近くの海岸で日没寸前に出会った光景。激しくつぶれて雪に埋もれかけた廃屋と残照の組み合わせがとてもドラマチックで、膝まで埋まる雪(絵では雪量を減らしてある)の中をカメラ片手に興奮しながら走り、なんとか暗くなる前に撮影できた。絵は今見ると、思い入れが強かった分、ちょっとエグイ感じになっている気がする。
「廃屋」30号 (2006年 現代パステル協会展)
釧路近くの原野のなかにあった廃業した牧場の牧舎。とても壊れっぷりがよく魅力的な廃屋で、これがきっかけで廃屋趣味が始まった。だが、絵としては、そのまま描いただでけで工夫がなにもない。
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