2017年1月9日月曜日

宇宙と芸術展

Exhibition  "The Universe and Art"

終了間際に見に行った。(森美術館 〜1/9)

ポスターのロケットの絵がよくない。宇宙飛行士や宇宙ステーションの話かと思ってしまう(それも少しあるが)。「宇宙」は古来から、世界とはどうなっていて、自分たちはその中のどこにいるのか、と人間が思い悩んできた問題だが、その意味での「宇宙」だ。古今東西の様々な人々が想い描いた宇宙の記録で、曼荼羅やかぐや姫やガリレオなど盛りだくさんで予想以上に面白い。

映像インスタレーションの制作グループ「チームラボ」の作品が目玉で、なかなかすごい。宇宙空間の中で浮遊しているようで平衡感覚を失いそうになる。(かつての教え子がこのグループで活躍しているのがうれしい) 
映像→ https://youtu.be/a9Uyk4H4bQw


2017年1月6日金曜日

ブレードランナー続編

Blade Runner

「ブレードランナー」の続編が今年の秋に公開と決まったようだ。期待の声が高まっているが、まだチラ見せ的な予告映像しか出していない。前回はシド・ミードが「ビジュアル・フューチャリスト」という肩書きで美術に全面的に関わった。セットや小道具のデザインのほかマットペイントもやっていた。下は超高層ビルのシーンの原画( Syd Mead 画集「Oblagon」より)と実際の映像だが、近未来の世界をあえてゴシック風建築で描いていたのがすごかった。今回もシド・ミードが参加しているのかどうか、とても興味がある。チラ見せ映像でも、難破した宇宙船やローマ建築風の廃墟など、シド・ミード的な画面が出てくるがどうだろう?
 

2017年1月3日火曜日

ライエンデッカーのイラストレーション

The Art of  J. C. Leyendecker

ライエンデッカーというイラストレーターの作品集を入手した。1920 年代アメリカで雑誌の表紙や広告で大人気になった人で、特に紳士服やシャツの広告で男性をセックスシンボルとして描いた初めての人と言われている。


上のような ARROW という会社の襟の丸いシャツの広告をたくさん手がけたが、そのおかげでこの商品が男性ファッションとして一世を風靡したといわれている。作家のフィッツジェラルドが活躍したのも同時代で、小説に登場する男性像のイメージはこの広告の影響を受けていたそうだ。さらには、その作品を映画化した「華麗なるギャツビー」でロバート・レッドフォードが着ているのがそのシャツで、このイラストレーションの影響力の強さがうかがえる。


2016年12月31日土曜日

子供の絵、知識とイメージ

Children's drawing,  knowledge and image

絵の好きな小学1年生の子が「海でも描こうかな」と言いながらささっと描いた絵には参った。こんな海の絵なかなか描けない。

子供を見ていると小さいうちはなぐり描きでも直感にまかせた面白い絵を描く。それが知識が増えるにつれて「〜はこうだよね」と常識で描くようになる。だが中には知識にとらわれず、自分の中で浮かんだイメージで描く子もいる。

大人は子供以上に知識で描く。知識イコール既成概念なので新鮮なイメージを抑える縛りになる。それでも大人は絵画教室などで、このモチーフをこう描きましょう的な「うまく描く」ための知識をさらに増やそうとする。

レオナルド・ダ・ヴィンチは川の水を観察してスケッチし流水の研究をした。その上で知識を自分のイメージに転化して恐ろしい洪水の絵を描いた。知識は必要としながらも最後はそれを超えている。この子の絵はなんとなくダ・ヴィンチの絵に似ているのが面白い。

2016年12月29日木曜日

映画「もしも建築が話せたら」

"Cathedrals of Culture"

「もしも建築が話せたら」という映画を観た。この邦題からはどんな映画か想像できないが、原題は「Cathedrals of Culture」つまり「文化の聖堂」で、文化を生み出す場としての建築であったり、存在自体が文化になった建築のことを言っている。技術としての建築ではなく、建築の使う人との関わりという視点で描いたドキュメンタリー映画だ。6人の監督が6つの建物を取り上げたオムニバスで、普通ではなかなか見れない建物とその内側を観れる貴重な映像だ。

コンサートホール(ベルリン)
図書館(モスクワ)
刑務所(ドイツ)
研究所(サンディエゴ)
オペラハウス(オスロ)
美術館(パリ)



観ていて、ついあのボツにされた国立競技場のことを思い出した。
(〜12 / 30 「アップリンク渋谷」にて)

2016年12月26日月曜日

プロジェクションマッピング

Projection Mapping

プロジェクションマッピングが流行っているが、いい作品はあまり多いとは言えない。ネットでみつけたが、これなどはなかなかレベルが高いと思う。建物と映像がよく溶け合っている。今はマッピング制作のソフトもあり割と簡単に作れるが、結局は映像のセンスが大事ということだろう。(LLUM BCN Festival 2016 というイベントでの作品のらしい)

                ↓ 動画(約 10 分)


2016年12月23日金曜日

松本竣介展

Exhibition  " Shunsuke Matsumoto,  The Origin of His Creativity "
神奈川県立近代美術館  鎌倉別館、〜12 / 25

松本竣介をまとめてじっくり見るのは初めて。建築や橋などの構造物、特に爆撃で破壊された構造物を描いた絵が多い。”絵になる風景”を感情を込めて描く的な絵ではなく、壊れた物をクールに見つめて、それを造形として構成した絵で、こういうのはとても好きだ。