2025年11月12日水曜日

チャールズ・シーラーの絵画と3点透視

 Charles Sheeler  

3点透視の遠近法で描いた絵画を探してもまったく見つからない。唯一あるのがチャールズ・シーラーで、1940 年代まで活躍したアメリカの画家で、近代的な高層ビルをモチーフにして描いた。ほとんどが3点透視で描かれている。単純化した透明色を重ねた色面構成のような絵で、なかなか魅力的だ。


左の絵は、上方向への収束度が強いので、近距離から見上げるように描いている。右の絵は収束度が弱いので、やや離れた距離から見ている。


3点透視の遠近法の原理は下図のようになる。ビルを近距離A から描くと左図のようになり、遠距離C から描くと右図のようになる。収束(convergence)の強さの違いだ。
(図は「How to Use Creative Perspective 」より)



なお参考までに、同じチャールズ・シーラーで、3点透視になっていない絵もある。垂直方向の線が完全に垂直で、2点透視だ。かなり遠くからの遠景で高層ビルを描いているためだ。


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