2025年1月29日水曜日

映画「愛と哀しみの旅路」

 「COME SEE THE PARADISE」

一昨日の1/27 は「ハワイ移民出発の日」という記念日だそうで、どんな日かネットで調べたが、通り一遍で大事なことが書かれていない。

日本が真珠湾攻撃した時、ハワイに住む日本人移民が、真珠湾のアメリカ海軍の動静を調べて、それを日本に通報していたと言われている。そのため日系人は敵性国民とされ、拘束されて強制収容所へ送られた。

映画「愛と哀しみの旅路」(1990 年)は、太平洋戦争時代に、差別に苦しむ日系移民の苦難の歴史を描いている。

戦争が始まると、日系人はアリゾナの砂漠地帯の強制収容所に送られる。そのシーンが、ナチスもの映画によく出てくるユダヤ人がアウシュビッツに送られる光景とそっくりだ。その数は十数万人といわれるが、ほとんどがアメリカ市民権を持っているアメリカ人だ。そして収容所の過酷さもアウシュビッツとなんら変わらない。

主人公の女性の夫は、日系人と同じくアメリカで差別を受けているアイルランド系移民だ。彼は徴兵されて戦場送りになってしまう。この映画は、ともに差別を受ける側の日本人とアイルランド人を夫婦にすることで、アメリカの人種差別に対して抗議をしている。


この映画に描かれている移民に対する差別と偏見のアメリカの歴史は、トランプ大統領による移民排除として現代に繋がっている。(なお、アメリカ政府は 1993 年に、強制収容の誤りを認め、収容されていた日系人の生存者に一人2万ドルの補償金を支払った。)

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