How to Paint Flowers with Pastel
白いものを描くには紙の白を塗り残すしかない水彩画に対して、パステルではカラーペーパーに描くので、白い物は素直に白い色を塗ることができる。パステルは、水彩のように水で薄めることなく、顔料そのものを紙に乗せていくから、パステルの色は強さがある。だから両者を比較すると、同じ白でも水彩よりもパステルの白さには力がある。
「晩鐘」などで有名なミレーの「マーガレットの花束」というパステル画だが、雛菊の鮮烈な白さが印象的だ。
ところが、あるパステル画の初心者向け教本にこんなことが書いてある。「指の腹で擦り、色どうしをなじませていく。何色も重ねると下の色と混じり合い、独特の深みのある色調になる。これがパステル画の醍醐味。」 だと言って、とにかく指で擦りまくれと教えている。そして、この赤い花の絵を ”パステルらしい絵” の見本だとしている。しかし擦るとこのように、色がのっぺりしてしまい、立体感も質感もなく、花が死んでいる。(写真は「新しい画材ガイド パステル」より)
日本以外ではこんな教え方はしない。パステル画の本場のアメリカの教本では逆に、ストロークを殺さないために擦るなと教えている。この例は細くて繊細なラインストロークを重ねていて、どこも指で擦っていない。だから花が活き活きしている。上の絵と比べると違いがよくわかる。(写真は「Pastel School」より)
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