2022年9月29日木曜日

パレイドリアの絵画

 Pareidolia Painting

心理学で「パレイドリア現象」というのがある。雲を見ているときや、壁のシミを見ているとき、何かの物や人間などに見えることがある。ある種の認知症の患者は、普通の人以上に幻影が見えるのが特徴とされ、花の写真を見せて、何が見えるか尋ねると、「あ、顔があります。動物が4匹います。」などと答えるという。


そういう幻視を敏感に見ることができて、その幻影を絵にする画家も多い。ルドンはその代表だろう。「黄色い背景の樹」は美しい絵だが、樹の背後で大きな怪物がこちらを見つめている。2枚目の「オルフェイスの死」では、ボートに乗せられた生首と、それを見つめる天使(?)のような顔が見える。


もっと強烈なのは、マックス・エルンストで、「沈黙の眼」では、自然の岩なのか人工物なのかわからないが、立ちはだかる不気味な壁から怪物のような眼がこちらを睨んでいる。「少女が見た湖の夢」では、森の樹々をよく見ると、一本一本が怪物で、怖い森の幻想を描いている。


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