2020年6月9日火曜日

アメリカの出来事と映画「国民の創生」

The Birth of A Nation

白人警官が黒人を殺す事件がまた起きた。しかし警官本人は社会正義を守るという使命感からやっている。そして警官を心情的に応援する人たち(トランプ大統領が典型)がたくさんいる。そのなぜ?が分かる映画がある。

サイレント時代( 1 9 1 5 年)の有名な映画「国民の創生」は極端な人種差別映画だった。このポスターから分かるように、黒人を虐殺する白人至上主義者たちを「正義の味方」として描いている。

南北戦争で分断された北部民と南部民がひとつになって「アメリカ国民」が生まれるまでの歴史を描いている。南北戦争後に市民権を得た黒人を「民主主義を守る」ために白人が集団リンチする。映画はそれを美化している。黒人を排除することで、初めて一つの国民として団結できたというわけで、最初から黒人は「アメリカ国民」には含まれていなかった。

この映画は圧倒的な支持を得て大ヒットした。映画から、なぜ黒人を殺すのが正義になり、なぜそれが共感されるのかを理解することができる。そして今度のような事件からも、このような意識が今も人々の心の奥底で生き続けていることが分かる。

映画史上に残る名作とされるが、史上最悪とも言われるこの映画、一応は見ておこうというには、こちら→   https://www.youtube.com/watch?v=2Qcf7AvTuvM

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