今でもよくあることだが、巨匠の名画が来ると美術館に行列ができて、やっと会えた「本物」を神様でも拝むような「ありがたい」気持ちでながめる。それはかつて絵が一種のオーラ(下のポスターでいう「アウラ」)を発していた頃の名残りだ。
20 世紀、印刷や写真などの複製技術のおかげで、絵がもっと「普通のもの」になりオーラがなくなる。そのような時代の変化とともに、美術家たちはそれまでの絵を「ありがたいもの」にしていた伝統的価値を根本から破壊する挑戦を始めた。・・・という流れがとてもよく分かる展覧会だ。(横浜美術館)
マティス、クレー、カンディンスキー、モホイ-ナギ、マン-レイ、エルンスト、ウォーホル、など現代美術の教科書に出てきた懐かしい人たちの作品がいっぱいで壮観だ。だが戦後のゼロックスの発明の頃までで展覧会が終わっているので、その後に生まれた「デジタル」というもっと強力な複製技術の時代=現在については触れられていない。続編があるといい。
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