2026年8月11日火曜日

SNS の認知バイアス

Cognitive Bias 

SNS などのネットの情報を受け取ったとき、「バイアスのかかった」判断をしてしまうことが多い。自分のなかにある、「偏り」や「思い込み」や「先入観」などによって、無意識のうちに判断が歪められてしまう。

コロナの時のワクチンに関するニセ情報をたくさんの人が信じてしまったのはいい例だった。「ワクチンを打つと妊娠できなくなる」とか「ワクチンより安全な⚪︎⚪︎の薬を飲む方がいい」などといった情報が SNS に溢れた。発信者は「⚪︎⚪︎大学医学部教授」などと名乗って、専門用語を並べたもっともらしい情報だったが、実は薬を売って金儲けをするためだった。

これは肩書きや権威のある人の意見は正しいと思ってしまう「権威バイアス」と呼ばれる。またこの情報が拡散されると、同じ情報に繰り返し接することになる。すると何度も接する情報は真実だと思ってしまう「真実性の錯覚」というバイアスに陥る。また情報が正しいと信じると、それとは違う情報には目をそむけ、同じような情報だけを集める「確証バイアス」がある。さらには「敵対的メディア認知」というバイアスがある。SNS の情報をTVが伝えないのはマスコミの報道が偏っているからだと考えてしまう。このようにコロナの例だけでもいろいろな種類のバイアスが影響していた。

「バイアスの心理学」(Newton 別冊)という本は、このような「認知バイアス」を 80 種類以上にわたって詳しい解説をしている。バイアス思考に陥らないために役に立つ。


2026年8月10日月曜日

映画「アルジャーノンに花束を」

 Flowers for Algernon

「アルジャーノンに花束を」という映画があった。主人公の男は子供なみの知能しかない知的障害だが、脳外科医から脳の手術を勧められる。手術は成功し、超難問の数学がスラスラと解けるようになったり、何カ国もの言葉をしゃべるようになったりと知能が驚異的に高まる・・・

この映画はSF小説をもとに、1968年に映画化された。まだAI (人工知能)が無かった時代だが、映画の脳外科手術は今だったらAI に相当する。「知性」とは?「人間」とは? を問いかけている映画だ。

しかしその脳外科手術の効果は、だんだん減衰していくことが分かってくる。医者は再手術を勧めるが、主人公はそれを断り、元の自分に戻ることを決める・・・

その理由は、知識や思考力は完璧になったが、他者への共感や思いやりといった「人間的な感情」が薄れていくことに気づいたからだ。映画は現代の ”AIの恐ろしさ” を予見していたかのようだ。ラストで、元の知能に戻った主人公は、いっしょに手術をして先に死んでしまった実験用マウスの「アルジャーノン」の墓にそっと花束をたむける。


2026年8月9日日曜日

ロールス・ロイス

 Rolls-Royce

しばらく前だが、横浜・山手を歩いていたら、道路にロールス・ロイスがさりげなく駐車していた。エレガントな姿に見とれてしまったが、写真に撮って、後で絵にしてみた。調べてみたら、さだかではないが、1950 年代の「シルバーレイス」というモデルらしい。ナンバーが「11-22」で、「いい夫婦」と読めるので、近くの結婚式場の新婚さん送迎用の車に違いない。



2026年8月8日土曜日

ドキュメンタリー「ビッグ・チキン ファストフード業界の不都合な真実」

Big Chicken

NETFLIX のドキュメンタリー 「ビッグ・チキン  ファストフード業界の不都合な真実」は見ていて恐ろしくなる。KFC などのフライドチキン業界は、鶏は健康的な食べ物だというイメージで、世界中でビジネスを拡大している。しかしその裏に隠されている闇をこの番組は暴いている。

ある一人の男を実験台にして、1ヶ月間毎日3食、フライドチキンだけを食べ続けるという実験をする。すると体調がおかしくなっていくが、それ以上に精神状態が不安定になっていく。それでも彼はフライドチキンを食べている間は幸せな気分になり、次の食事を楽しみにする。

その理由はこうだ。鶏の飼育業者は効率的に大量生産するために、鶏の品種改良をして、通常の半分の期間で親鳥に育つようにしている。しかしその鶏は味がなくて不味いので、餌に化学物質の添加物を加えて鶏らしい味にしている。その化学物質は、人間の体に良くなく、鶏肉依存症にする麻薬のような性質があるという。

そして他にも、鶏が病死するくらい不健康な過密飼育や、安い賃金の外国人労働者を過酷に働かせる労働環境や、鶏の排出物による地域の水質汚染の問題など、この業界の”不都合な真実”を次々に暴いている。しかし彼らはメディアの取材を拒否し続けているという。


2026年8月7日金曜日

ドキュメンタリー「グレート・ハック SNS 史上最悪のスキャンダル」

 「The Great Hack」

「フェイスブック」が政治に介入して、選挙結果を左右させることがが世界中で問題になっている。このドキュメンタリー(NETFLIX)は、それがどういう仕組みで行われるのかを生々しく暴いている。

例えばある選挙で、A党とB党が接戦になっていて、残り20% の浮動票の行方で勝敗が決まる状況だとする。A党から依頼を受けたフェースブックは、今まで投稿した人や「いいね」をした人の膨大な個人情報を利用して、A党が有利になるような情報活動をする。

実際には傘下の企業の「ケンブリッジ・アナリティカ」というデータ分析の企業が、フェースブックからもらった個人データをもとに、フェイスブックユーザーのプロファイルを分析する。するとこの人は浮動票で、しかもSNS の影響を受けやすい人だなどということがすぐわかるという。

するとフェースブックは、その層の人たちにウケそうなニセ情報を作って、狙い撃ち発信する。それは一見すると選挙宣伝のように見えないように巧妙に作られている。2016年の大統領選でおおかたの予想に反してトランプが勝った時にこれが行われた。同番組ではこれ以外にも、世界中で行われた同様の事例も多数挙げている。

多くの人は、自分の意志で投票したつもりでいるが、実は情報操作されていることに気ずかないでいる。民主主義の根本の破壊につながる行為だが、フェースブックはそれを認めていない。


2026年8月6日木曜日

アニメ「風たちぬ」とイタリアの飛行機

 Itaian Plane

日英伊3国による次期戦闘機の共同開発が進み始めたようだ。しかし戦闘機の歴史で、日本の「零戦」とイギリスの「スピットファイア」はすぐに思い浮かぶが、イタリアは?と思うのは間違いで、イタリアには先進的な飛行機の伝統がある。そのことがわかるのが宮崎駿のアニメ「風たちぬ」だ。

このアニメは「零戦」の設計者だった堀越二郎の生い立ちを描いている。少年の頃からパイロットを夢見ていた二郎は、イタリアの飛行機「カブローニ」に憧れていた。

カブローニ社の「カブローニ Ca.60」という飛行機がこのアニメで登場する。3段重ねの主翼が3つある9葉機で、100人の乗客を乗せて大西洋を横断する巨大旅客機だった。また戦争中にカブローニは、実用化には至らなかったが、世界初のジェットエンジンの開発に成功している。



大人になった堀越二郎は、カブローニのように「美しい飛行機」を作りたいという夢を「零戦」で実現する。しかしやがてそれは特攻兵器として使われるようになり、「美しい飛行機」への夢が裏切られていく。なお、イタリアの飛行機へのリスペクトに溢れたこのアニメはイタリアで大絶賛されたという。

2026年8月5日水曜日

横浜の産業遺産

 Old Machine

山下公園に係留保存されている「氷川丸」は、戦前に建造されて現存している唯一の大型豪華客船で、重要文化財に指定されている。この機関室は大迫力で、船底の3階だての建物くらいの大空間に巨大なディーゼルエンジンが並んでいる。このエンジンは、デンマークの B &W社で、当時の最新鋭だった。そのなかの機械の操作部分が人間の内臓のように複雑で、いかにも古い機械という感じでなかなか魅力的だった。

「錆びた機械」30号 アクリル

現在のみなとみらいあたりはかつて造船所だった。帆船「日本丸」が係留されている場所も造船ドックだった。日本丸の近くの公園で、かつての造船所のなごりを見ることができる。造船所の機械を圧縮空気で動かしていたが、そのエアコンプレッサーが保存展示されている。巨大な大砲のような円筒形が組み合わさって大迫力だ。アメリカの「シカゴ・マシナリー」というメーカー名と「1918」という製造年が書かれている。

「古い機械」30号 パステル