2026年7月24日金曜日

「シリベツ川の朝日」

Morning River

倉庫にしまいっきりだっただいぶ昔の絵。北海道のシリベツ川の上流の風景。夏の早朝、森に朝日が登ってきたた。このあたりはニセコのスキー場があり、冬には賑わうが、夏は誰もいず、シンと静まりかえっている。

「シリベツ川の朝日」12号 パステル


2026年7月23日木曜日

映画「ザ・クリエーター / 創造主」

 「The Creator」

3年前に見た映画「ザ・クリエーター / 創造主」を NETFLIX でやっていたのでもう一度見た。この SF 映画は、AI ロボットが登場するが、AI が人間を超えた能力を持ち脅威になるのではないかという人々の恐れを背景に作られている。

ロサンジェルスが核攻撃を受けて、アメリカは報復の攻撃をして全面戦争になる。その結果、人間どうしの殺し合いと、文明の破壊のし合いで、人類の文明は滅びてしまう・・・

ラストで、可愛い少女の姿をしたAI ロボットが、戦争で生き残った純朴な人々に歓呼の声で迎えられる。彼女は人間以上に人間性を持った AI だ。彼女が、邪悪な人間たちに変わって新しい文明世界を創り上げる「神」になることを示唆して映画は終わる。

日本語では、「クリエーター」はアーチストなどのもの創りの人を指すが、英語の「The Creator」は、「人間と天地万物を創造した全能の神」を意味する。この映画は AI を新しい神「The Creator」として描いている。

2026年7月22日水曜日

ドキュメンタリー「縦の支配 中国ショートドラマの光と影」

Short Drama for Smart-Phone in China 

昨日NHK BS で、「縦の支配 中国ショートドラマの光と影」という面白いドキュメンタリー番組をやっていた。。

今中国で盛んに作られているスマホ向け専用のショートドラマの制作現場の実態を暴いている。普通の映画と違って、スマホで手軽に見れるように縦長の画面で作られる。スマホばかり見ているスマホ依存症の人たちがこれにハマってしまう。このようなショートドラマ専門の配信会社が、中国にたくさんあって稼いでいる。彼らはAI を使って、どんな番組がウケるかを研究していて、それにもとづいて監督に指示を出す。もっとケンカを派手にやれとか、女の服の露出度をあげろなど、刺激の強い画面を続けさせて、視聴者に考える暇を与えない。だから題名の「縦」(スマホの縦長画面)による人々の「支配」というわけだ。

このビジネスが今中国ですごい勢いで伸びているという。もともと人に考えることをさせないスマホというメディアならではのビジネスだが、日本でも同じことがジワジワ広がりつつあるという。

2026年7月21日火曜日

国旗をモチーフにしたアート作品

Flag Desecration Law 

「国旗損壊罪」が国会で成立したが、アートにおける表現の自由との関係がよく問題になる。

アメリカの例で有名なのは、ジャスパー・ジョーンズの「星条旗」で、汚れたアメリカ国旗が画面いっぱいに描かれている。!950 年頃の作品で、当時全盛のポップアート作品だと本人は言っているが、政治的メッセージが込められていると解釈されることが多い。その時代はマッカーシズムが吹き荒れて、アメリカの民主主義が危機的な状況だったからだ。


日本ではこんな作品がある。国旗の布を糸にほぐしていて、国旗を「損壊」しているといえばしているが、これは「損壊罪」にあたるのかどうか?



なおアメリカで「国旗損壊罪」ができるきっかけになったアート作品がある。(以下は今年2/ 21 投稿の再掲)

「文化戦争  - やわらかいプロパガンダがあなたを支配する」(N. Tompson)という本は、芸術などの文化が、社会や政治に与える影響について書いているが、そこにアメリカで起きた、星条旗をモチーフにしたアート作品が物議をもたらした事件について触れている。

ドレッド・スコット・タイラーというアーティストが、1989 年にシカゴ美術館の展覧会に出品した「星条旗の適切な掲げ方は?」というインスタレーション作品が猛烈な批判を浴びた。

壁に、人種差別に抗議するデモで星条旗が燃やされている報道写真が貼られていて、その下に作品への感想を書くノートが置いてある。その手前の床には本物の星条旗が置かれている。ノートに書き込むためには国旗を踏みつけなくてはならない仕組みになっている。自身がマイノリティであるアーティストの、アメリカの人種差別に対する抗議が込められている。

多くの国民が星条旗への冒涜だとして激怒し、ブッシュ大統領も「けしからん」と非難し、議会は「国旗損壊罪」の法律を成立させたという。本の著者が指摘しているのは、芸術という「文化」が、政治権力者の武器として使われることと、一方でアーティストが自分を売り出すための道具として「文化」が使われるという「文化戦争」の実態だ。


2026年7月20日月曜日

「イタリアの静物」

 Italian Still Life

静物を大サイズで初めて描いた。

「イタリアの静物」50号 アクリル

2026年7月19日日曜日

映画「ラ・レボリューション」

 La Revolution

昨日「廃墟の画家」ユベール・ロベールが描いたパリの街の「破壊と再生」の絵について書いたが、ちょうど昨日タイミングよくNETFLIXでやっていた「ラ・レボリューション」(「革命」)という映画を見て、ユベール・ロベールがそのような絵を描いた時代背景をリアルに知ることができた。

フランス革命は 1789年に起きたが、昔中学生の頃「火縄くすぶるフランス革命」などと語呂合わせで遊んでいたが、もちろんフランスではそれどころでない圧政に苦しむ庶民が王政を倒した重要な歴史だ。この映画は民衆が武装蜂起してフランス革命に至るまでをドラマ化している。

この時代のパリは人口過密状態で、都市環境が劣悪で、狭い路地に家が密集していて衛生状態が悪く、伝染病の蔓延で腐った死体がゴロゴロしている。そして市民は困窮と飢えに苦しんでいるが、政府の役人は不満分子を情け容赦なく捕まえて牢獄に入れる。過酷な王政政治に対してついに民衆は立ち上がる・・・

映画でパリの街のシーンが繰り返し出てくる。丘の上には立派な王宮がそびえているが、庶民の家々は密集している。現在のパリの街の姿とは程遠い。ゴミゴミした狭い路地裏で人々は貧しい生活をしいられている。



ユベール・ロベールも革命派の一人だったというが、彼がパリの古い建物を破壊する光景を絵に描いたのは、フランス革命後に、こういう古い街並みを壊して、新しいパリを作ろうとするフランス社会のエネルギーを描いたのだった。そしてパリが現在のような整然とした姿に生まれ変わったのもフランス革命のおかげだったことがこの映画からよくわかる。

2026年7月18日土曜日

ユベール・ロベールのパリの解体

 Hubert  Robert

『Futures & Ruin  Eighteenth-Century Paris and the Art of Hubert  Robert』は、訳せば『未来と破壊  18世紀のパリとユベール・ロベールの芸術』で、パリの街の「破壊と再生」という観点からユベール・ロベールの絵画を解説した面白い本だ。

18 世紀のパリは人口の急増と、劣悪な都市環境と、広がる貧富の差に市民の不満が高まり、フランス革命につながるのだが、革命後にナポレオン3世の命令で、古い建物を壊し、新しい都市に再生する都市計画が行われ、それが現在のパリの姿になった。

ユベール・ロベールは、廃墟になった古代ローマの遺跡を描いて「廃墟の画家」といわれたが、そればかりではなく、上記のような、パリの古い建物が壊されて新しい街へ再生していく絵をたくさん描いた。いわば現在進行形で廃墟ができていく絵だ。前回の「バスチーユの解体」もその一つだった。同書からそういう作品を紹介する。

オペラ座の解体

教会の解体

セーヌ川のほとりの火事。市民が勝手に建てた木造の家がよく火事を起こした。