Pastel Painting
約 20 年間参加してきたパステル画専門の公募展(現代パステル協会展)を今年でやめた。しかし、お絵描きおじさんたちの仲良しクラブ化している多くの公募展の中で、ここだけは公募展本来の目的である研究的な雰囲気を残しているから、今までとても勉強になった。
同展の応募規約に面白い項目がある。「パステルの使用割合が 60%以上であること」というもの。このことは逆にいうと、パステル画というものは、アクリルなど他のメディウムを併用して描くのが当然で、 100% パステルだけで描くことはあり得ないという前提に立っている。
パステルは粉なので、色のスキマから紙が透けて見え、完全に隠蔽することができず、スカスカしてしまう。だから、あらかじめ下に同系色を塗っておく必要がある。それが上記のような規約になる理由だ。さらに、下地色を工夫することで、いろいろな効果が出せる。例えば補色を塗っておくとか、明るい部分に暗い色を塗っておくとかするなどで、パステルを乗せたとき、面白い効果がでる。下塗りをどう利用するかによって、人それぞれのパステル画が生まれる。以下は下塗りの事例。(2014 年に投稿したものの再掲)