Cognitive Warfare
SNS で毎日のように偽情報や偽画像があふれている。ほとんどが素人が作ったものだと一目でわかる。しかし外国の諜報機関による世論工作のための SNS 情報は一見して見分けがつきにくい。最近出た「認知戦 悪意の SNS 戦略」という本は、SNS によって人の心理に影響を及ぼそうとする認知戦の実態を明らかにしている。著者はイスラエル軍で認知戦の実務経験のある専門家だ。
現代の戦争は軍事力よりも、SNS の情報発信によって敵対国民の意識に働きかけて、国を内部から分断させる「認知戦」が重視されている。この本の帯に「戦場はスマホと脳だ」とあるように、スマホとSNS を使って情報工作が行われる。
いま強力に認知戦を仕掛けているのは、世界の覇権を狙っている中国で「中国は素晴らしい国だ」と思わせる情報を世界中に発信し、何十万ものフェイクユーザーを使ってその情報を拡散させている。特に日本は最大のターゲットで、「日本は悪い国だ」というイメージを植え付ける情報を垂れ流している。情報をスマホに頼っている人、特にAI を神の声のようにありがたがる人は、その情報を間に受けて拡散に協力してくれやすい。そういう人間を中国では「役に立つ馬鹿」と呼んでいる。