Elio
ディズニーの新作「星つなぎのエリオ」を見た。ディズニー映画は、いつも学校が夏休みの間に公開されるが、今回もシネコンはちびっ子たちで、あふれかえっている。主人公のエリオは両親が亡くなり、叔母に育てられている。「誰からも愛されていない」「自分の居場所がない」と感じている孤独な少年は「人とのつながり」を求めて、宇宙に行って異星人に会いたいと思う。やがて願いがかなって宇宙船が迎えに来る。着いた星は「コミュニバース」で、いろいろな惑星から来た異星人たちが仲良く平和に暮らしている。そしてエリオは、自分と同じく孤独である子供の異星人「グロードン」と仲良くなる。ところがその父の魔王は暴力でコミュニバースを支配しようとしている。エリオはその魔王に立ち向かう・・・
この映画には、宇宙に関する最新の動向が反映されているのが面白い。2019 年にアメリカは、陸軍、海軍、空軍に続いて、「宇宙軍」を創設した。宇宙空間での敵対勢力に対する防衛をになうためで、アメリカ各地に宇宙軍基地がある。映画にはその基地が登場する。そしてエリオの叔母は、その宇宙軍基地に務める「宇宙軍少佐」だ。
話は変わるが、「ディズニー変形譚研究」という本がある。「譚」とは深みのある話のことで、ディズニー映画はすべて、グリム童話や、ギリシャ神話や、言い伝えの昔話しや、聖書の物語、などを原型にしながら、それらの時代や場所の設定を変えて物語を作っている。それが「変形譚」で、同書はその観点からディズニー映画を研究をしている。
「ディズニー恋愛譚」(「眠れる森の美女」など)
「ディズニー家族譚」(「アナと雪の女王」など)
「ディズニー友情譚」(「モンスターズ・インク」など)
「ディズニー空想譚」(「不思議の国のアリス」など)
「ディズニー聖書譚」(「塔の上のラプンツェル」など)