Kusozu
前回書いた「九相図」は、鎌倉時代の絵巻だが、それは江戸時代に至るまで受け継がれ、さまざまなバリエーションの「九相図」が描かれてきた。その経緯は「九相図をよむ」(山本聡美)に詳しく解説されているが、同書はさらに、現代においても現代的な解釈で「九相図」が描かれているとして、松井冬子という日本画家の作品を紹介している。
松井冬子の九相図の連作のひとつで、元の「九相図」の要素を引用している。例えば、内蔵が剥き出しになっているなど。しかし一方で、元と違って、顔はこちらをしっかり見つめていて、むしろ自分の内蔵を見せびらかしているようだ。同書の解釈では、仏教の教義で否定されていた女性の存在を現代的に肯定的に捉え直している、としている。