Khnopff
ベルギーの画家クノップフの代表作「見捨てられた町」は有名だ。以前あった「ベルギー奇想の絵画展」にも出ていた。かつて商都として栄えたブルージュの街が洪水で死都になった状態を描いている。建物が残っているが無人の街の空虚さを描いている。
もうひとつ クノップフの同じ洪水の絵で「ブルージュにて、聖ヨハネ施療院」も洪水で水に浸かった病院を描いている。廃墟になった建物の無人の静けさを強調している。
20 世紀初めに活躍したクノップフは、繁栄していた町が自然災害で凋落した様を描いたが、それは 20 世紀的世界観に立っていた。東日本大震災の津波で街が壊滅した現代にもつながる世界観だ。比較のために印象派のシスレーの「ポールマルリーの洪水」を見ると、19 世紀的世界観との違いがわかる。建物が水に浸かっているが、明るく美しい光景として描いていて、まったく悲観的ではない。