2019年12月8日日曜日

認知症の映画 12選

Dementia movies

終活の時期になってくると、認知症をテーマにした映画が気になる。新作・旧作を含めた全て(洋画のみ)を網羅したリストを作ってみた。12 作になったが、どれもおすすめの佳作。おおまかにランク付け(個人的な)をしたので、その順にあげると



「きみに読む物語」(2005)
夫が毎日読み聞かせる物語に妻は「続きはどうなるの?」
   
「ドライビング Miss デイジー」(1990)
母親の運転を心配した息子が専属の運転手を雇うが・・
   
「アゥエー・フロム・ハー」(2008)
介護施設へ入った妻を見舞いに来た夫が見た光景とは・・

「愛、アムール」(2013)
妻を介護する夫が最後に選んだ終末の形とは・・

「アリスのままで」(2015)
若年性認知症になった女性教授が言葉を一つずつ失っていく

「ロング・ロング・バケーション」(2018)
認知症の夫と末期ガンの妻が、キャンピングカーで南を目指す

「やさしい嘘と贈り物」(2010)
一人暮らしの老人が偶然出会った女性を好きになって・・

「ディア・ファミリー」(2018)
母親の症状が悪化するにつれ、家族の間に亀裂が入っていく

「アイリス」(2002)
言葉を失って書けなくなった小説家の妻を夫は介護し続ける

「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」(2007)
父親が認知症になって、息子と娘は・・

「雨上がりの駅で」(1996)
徘徊老人の見守り役の少女がどこまでもついて行くと・・

「しわ」(2013)
老人ホームの様々な人間模様(アニメ映画)

2019年12月6日金曜日

「非常階段」コレクション

Emergency staircase collection
街で見かけた非常階段。機能は単純だが形は千差万別。













2019年12月4日水曜日

SF ディストピア小説「すばらしい新世界」

「Brave New World」

オルダス・ハクスリーの名作 SF 小説「すばらしい新世界」が来年待望の映画化されると聞いて、あらためて原作を読んでいる。ディストピアの未来をユートピアの姿で描いた皮肉たっぷりの小説で、細かいディテールにいたるまでまことしやかに大真面目に書いていて、思わず笑ってしまう。

500 年後の未来は、すべての人が幸福に暮す社会が実現している。戦争も貧困も病気もない理想的な社会。それを維持するために、人間は「孵化工場」のベルトコンベアーで大量生産される。瓶の中で人工受精され、胎児は完璧に品質管理されている。だから親子関係は存在せず、結婚制度もない。フリーセックスが奨励され、「快楽薬」というドラッグを与えられ、「触感映画」というバーチャル・リアリティ映像を見る幸せな毎日を送る・・・

この 90 年も前の小説に書かれている未来は、遺伝子操作で人間を作るという現在のテクノロジーが向かっている方向と恐ろしいほどぴったり一致している。

2019年12月1日日曜日

山下公園通りスケッチ

Autumn leaves in Yokohama

やっと色づいたいちょう並木とホテル・ニューグランド。


2019年11月29日金曜日

「ビルの壁」コレクション

Wall collection
街の中のいろいろな壁を集めている。(写真は、あおり補正をした)

プロポーションの美しい壁

壊れかけた工場の壁

バラバラの追加造作物で賑やかな壁(台湾)

錆びた配管がむき出しの古いビルの

蔦で完全に覆われた廃墟(旧根岸競馬場)の壁

工事中のビルの壁

曲面の壁

"The"  壁

2019年11月27日水曜日

バウハウス 100 年映画祭

100 years Bauhaus Film Festival

全6編のシリーズのうちの「バウハウス  原型と神話」を見た。生存している元学生たちの証言で構成されている。ナチスの弾圧で閉校した後のこと中心なので、知らなかったことが多くて参考になる。またバウハウスの光とともに、影の部分にも触れている。

クレーやカンディンスキーはスイスなどへ逃れたが、ユダヤ人教授の多くはイスラエルへ脱出したという。テルアビブで様々な建築を手がけ、バウハウス式モダニズムデザインを広めた。集合住宅は地域コミュニティのつながりを強めるような設計だったと住民が証言している。それらはいまだに4千棟も残っていて、全体が世界文化遺産に登録されている。

アメリカに亡命したグロピウスやミース・ファン・デル・ローエなどは、「ニュー・バウハウス」(現在の I I T )を作って、戦後にアメリカがデザイン大国になる基礎を作った。しかし、ミースによるニューヨークの高層ビル群は、街のコミュニティを破壊したモダニズムデザインの行き過ぎだったと映画は批判している。

2019年11月25日月曜日

クリムトの絵を取り戻す      「黄金のアデーレ 名画の帰還」

Woman in Gold

「クリムト展」が大盛況で、今年はクリムトの話題が多かった。3年前の「黄金のアデーレ」が面白かった。ナチスによるユダヤ人の資産強奪で奪われたクリムトの絵を取り戻すという実話にもとづいた映画。ヘレン・ミレンがパワフルなおばあちゃん役を好演。


オープニングで、クリムトが「黄金のアデーレ」を描いている。モデルは、絵の依頼主である裕福なユダヤ人実業家の妻。モデルの女性に可愛がられて育った姪は今 82 才だが、絵の現在の所有者であるオーストリア政府を相手取って返還要求の法廷闘争を起こす。



エンディングは、姪が幸せだった子供の頃の幻想シーン。生家の部屋に「黄金のアデーレ」が元通りに掛けられていて、その前でモデルの叔母が微笑んでいる。絵とともに迫害で奪われた「家族の記憶」も取り戻す。