2019年2月15日金曜日

「工事中!」展

Exhibition 「The "Under Construction"」

日本科学未来館で開催中の「工事中!」展が面白い。ふだんあまり見かけない最新型の重機を見ることができる。デジタルの時代に「いかにも機械!」の形が残っている貴重な分野だと思う。






2019年2月13日水曜日

静物「梨とぶどう」

"Pear & Grapes"

途中で放ってあった絵を完成させた。モチーフごとの質感の違いを描くのだが、ぶどうがいちばん難しい。ぶどうは果肉が透明なので、光が透過して、影の側が明るくなる。それを実際より強調してビー玉のようなつもりで描いた。

Soft pastel + Hard pastel,  Canson Mi-Teintes paper,  30cm × 35cm

2019年2月11日月曜日

シャルダンの静物画の「光」

Chardin

シャルダンの静物画はいつもこのように、ほの暗い部屋にかすかな光が差し込んでいて、その中にモチーフが浮かび上がっている。しかし右側にあるグラスはわずかなハイライトが見えるだけで暗い背景の中に溶け込んでいる。主役を際立たせ、脇役を控えめにさせる強弱のつけ方がうまい。それがこの空間の光を感じさせるとともに、構図が単調になるのを防いでいる。

高校の美術の教科書にこの絵が載っていた記憶があるが、たしかに静物画のお手本のような絵だ。四角い箱は烟草ケースで、それによリ掛かっているのはキセルだが、細くシャープな斜めの直線がとても効果的だ。シャルダンの背景は、この絵のように光源と反対側の右奥を明るくしている場合が多いが、光が ”差し込んでいる” 感を強調する意図にちがいない。

2019年2月8日金曜日

シャルダンに学ぶ果物の描き方

Chardin

絵の「質感」とは、物の性質を手で触ることなく、目で感じさせることだが、それには物に当った光が反射・吸収・透過する様子を描くことでしか表現できない。モチーフを目の前にしていても、その光の違いが見えていないことも多いが、質感の教科書のようなシャルダンの静物画を見ると分かってくる。いろいろな果物がどう描き分けられているか見てみた。



ぶどう
果肉が透明なので光が透過し、凸レンズのような効果で、光源と反対側の影の中にハイライトが生じる。ビー玉と同じ性質。




表面にうぶ毛があるので、色のコントラストが柔かくなる。光が当たってもハイライトができない。あの独特の手触りを目で感じることができる。



ざくろ
ざくろの外皮は硬くてツルツルしているので、明暗コントラストが強くなる。ハイライトも強い。陶磁器のような性質に近い



「梨地」という金属の表面加工は、細かいザラつきのあるテクスチャーで、柔らかい光の反射を生む。語源の梨はまさにそれ。


メロン
ねっとりした果肉なので、光は吸収され反射しない。だから変化をつけずに、ほぼオレンジ色だけで塗りつぶしている。

2019年2月6日水曜日

シャルダンの静物画

Chardin

巨匠シャルダンの絵は古典的だが、静物画の教科書のようで、眺めるといろいろとヒントが見つかる。


緻密に計算された構図も参考になる。これは定番のピラミッド型構図だが、安定しすぎないようにポットをセンターからずらしてシンメトリーを避けている。またぶどうやナイフをテーブルからはみ出させることで単調な直線が画面を横切らないようにしている。さらに光をうまく使って明暗の変化を作っていて、例えば右端のグラスはほとんど影の中に溶け込んでいる。「安定と変化」という構図の基本のお手本のような絵だ。

2019年2月4日月曜日

パステル画の歴史

A History of Pastel

有名なパステル画家というと、ドガとルドンくらいしか思い浮かばないが、実はよく知っている巨匠たちもパステル画を描いていた、という歴代パステル画作品集のムービー。

  こちら→   https://www.youtube.com/watch?v=7AlKrS5ARFI&feature=share

その中からの例だが、それぞれ油彩画とはぜんぜん違うスタイルなのが面白い。

ゴッホ
スーラ
シャガール
ムンク
ピカソ

2019年2月2日土曜日

ロンドンの大道絵描き、上海の大道書家

Pavement artist

今月公開の「メリー・ポピンズ・リターンズ」を見たが、オリジナルの「メリー・ポピンズ」にあったこのシーンは無かった。道路にチョークで絵を描く大道絵描き(Pavement artist)。映画なので上手さはわからなかったが、帽子を置いていたので賽銭をもらって生活しているのだろう。

上海に行った時、道路に字を書いているおじさんを何度か見かけた。長い筆を使って水で書いている。乾燥した道路なので、水でもはっきり読める。すぐに蒸発して消えてしまうが、すらすらと書き続けている。趣味でやっているらしく、賽銭をもらっているふうではなかった。意味はわからないが字は上手い。さすが漢字の国だと思った。

日本ではこういうのは見ない。昔は大道絵描きがいたが、道路に描くということはなかった。記憶ではたしか墨かなにかで色紙に描いて売っていたと思う。