2023年12月20日水曜日

国連の建物に刻まれた「平和」の意味

 Prophecy of universal peace Book of Isaiah

最近知ったことだが、ニューヨークの国連本部の建物に「イザヤ・ウォール」という壁があり、世界平和の理想が刻まれているそうだ。

              彼らは剣を打ち直して鋤とし、
              槍を打ち直して鎌とする。
              国は国に向かって剣を上げず、
              もはや戦いを学ぶことはない。

「イザヤ・ウォール」の名前どうり、これは旧約聖書の「イザヤ書」に書かれている「万国平和の予言」をそのまま引用したもの。旧約聖書は、イスラエル王国の建国から滅亡までを記した壮大な物語だが、その中に戦争がなくなり、イスラエルがいつの日か再び復活するという未来への希望が語られている。

アッシリア帝国によって滅されたイスラエルには異民族が移り住み、その支配下に組み込まれるという悲惨な時代に、絶望を押し返す未来への希望を旧約聖書は記している。それは、自分たちイスラエルの神ヤハウエが敵対する国を滅ぼし、イスラエルを救済するだろうという予言だ。イスラエルが全世界を支配して、諸民族がヤハウエに従うようになれば、この世から戦争がなくなり、世界は平和になるだろうという。つまり旧約聖書の「平和」とは、排他的で自民族中心的なイスラエル・ユダヤ民族主義の「平和」であって、多民族がお互いに認め合って共存するという普遍的な「平和」ではない。(以上、月本昭男「物語としての旧約聖書」による)

・・・・・このことが現在のイスラエル・パレスチナ戦争にもつながっているのだろう。


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