2023年12月22日金曜日

映画「ウィッシュ」

「WISH」 

ディズニー 100 周年記念として力の入った作品ということだったが、観てがっかりした。ディズニー映画としては凡作といっていいと思う。


「女の子が夢をかなえようと、星に願いをかける」「邪悪な王が魔法を使って女の子を妨げる」「それでも困難や危険に立ち向かって闘う」「やがて現れた救世主に助けられて勝利し、夢は実現する」・・・・・というのがディズニー映画全てに共通する物語構造だが、この映画もその基本どうりになっている。そして基本どうりすぎて、それ以上の膨らみがなく新鮮味に乏しい。

ディズニーアニメの物語の舞台は必ず中世風の城になっていることが、ファンタジー性を出すのに重要な役割をしている。(だからディズニーランドのシンボルは城だ。)そして「アナと雪の女王」では氷の城だったように、城には作品ごとに色々なバリエーションがある。今回の「ウィッシュ」ではアラブの城になっている。そしてアラブの住民たちが王の圧政に苦しんでいるという設定だ。そして主人公の女の子はドレッドヘアの褐色の肌で、名前「アーシャ」はアラブ系の名前だ。


この映画に対してアメリカでは、批判が高まり、ボイコット運動も起きているという。それは映画がアラブ人側に立っているからでなく、その逆の理由による。現在のイスラエル・パレスチナ戦争でイスラエルがアラブの一般市民を虐殺をしていることに対して、若者を中心に反対の声が多い。そのなかで、ディズニー社はイスラエルを支援する寄付をしていることが発覚したという。だからこの映画はそのことを隠そうとする偽善的な映画だというわけだ。

ディズニー映画はいつも時々の政治や世論に影響されたり迎合したりしてきた。黒人差別の時代にはディズニーは、当然のように差別的な映画を量産したした。そして近年に差別反対の声が高まると今度はマイノリティの側に立った映画を作り始めた。例えば「リトルマーメイド」でマーメイドを黒人にしたりしたが、それは世論の批判をかわすためで、今度の「ウィッシュ」もそのひとつだと言われている。


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