Caspar David Friedrich 「The Sea of Ice」
冬の絵といえばカスパー・ダビッド・フリードリヒだろう。「氷海」は北極の海で難破した船を描いている。右のほうに黒い船が小さく見えていて、まわりを巨大な氷塊が船を閉じ込めている。フリードリヒは厳しい自然に対する恐れを描いた画家だった。超越的な自然の力の前に人間が無力であることのイメージとして、雪の中で朽ちている教会の廃墟などを描いた。この絵でも氷塊の形は、石造建築が壊れて瓦礫になった石のブロックのようにも見える。ほぼ同時代の印象派が自然をただ美しいものとして描いたのと対照的な宗教的で内省的な絵で、ドイツロマン主義絵画の代表作だ。
印象派と対極的なフリーリヒの絵が、印象派大好きの日本へ来ることはまずないだろうが、4年前に徳島県の大塚国際美術館(名画の完璧なレプリカを展示している美術館)へ行ったとき、これがあったので驚いた。もしここを訪れることがあれば一見をおすすめしたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿