有名デザイナーの作品が映画に登場することがあるので、それらを集めてみた。ほとんどが椅子だが、なぜその場面で使われているかには意味があることが多い。またモノとしては知っている有名な椅子も映画で見ると、使われ方の文脈が分かり、そのデザインの使用価値が見えてくる。
MOMA の永久展示品になっているコルビュジェのソファが「赤ちゃんはトップレディがお好き」に登場する。バリバリのキャリアウーマンの高級マンションにオフィスで使われることが多い硬い感じのこの椅子をセットで置いている。仕事人間の主人公のアイコンだ。
この「幸せはパリで」の社長夫人(カトリーヌ・ドヌーヴ)は金にあかした生活に飽きていて、不倫して駆け落ちをするのだが、相手の男も妻のインテリア改装趣味に嫌気がさしている。性格の不一致や価値観の違いが離婚の理由というが、それが具体的な形で現れるのがインテリアの趣味の不一致ということだ。また「ローズ家の戦争」という映画の場合は、夫婦二人が協力して家のインテリアを作り上げてきたのだが、離婚することになると家の奪い合いになる。お互いに我が子のように育てたインテリアだから、売ってお金を2分するという単純な話にはならない。家具が持ち主の人格の一部のような存在になる文化が根底にあるからで、ニトリ的応接セット文化からはうかがい知れないないものがある。
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