Edge Light
人物に背後から逆光が当たると暗いシルエットになる。そして光が強いと、シルエットの輪郭(エッジ)に沿って細く強い光が生じる。それが「エッジライト」で、写真のライティングとしてよく使われる。絵画でもたまに「エッジライト」の絵がある。例えばルノワールの「海のほとり」という絵で、写真ほど強烈ではないが、逆光の少女の腕や背中に背後からの光が当たっている。
そのルノワールの晩年を描いた映画「ルノワール 陽だまりの裸婦」(2013 年)は、「エッジライト」を多用している。(「エッジライト」は、映画用語では「リムライト」と呼ばれる。)
老齢で身体が不自由になったルノワールだが、若いモデルと出会って、創作意欲がよみがえる。光あふれる自然の中でポーズをとらせて描く。映画は全編でルノワールの絵画の明るいイメージに合わせた映像作りをしている。そして「エッジライト」が効果的で、南仏の明るい光を強調している。
(なお映画で「ジャン」という名の青年が登場するが、ルノワールの息子で、後に映画監督になって「大いなる幻影」などの名作を残すジャン・ルノワールだ。)
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