2020年1月21日火曜日

「未来と芸術展」の ”デッサン・マシン”

「Future and the Arts    AI, Robotics, Cities, Life」

A I 、ロボット工学、バイオ技術など最新のテクノロジーを使った芸術によって、未来の人間像、社会像を描くという、話題性いっぱいの企画展。(森美術館、~ 3 / 29 )


デッサンするマシンが面白かった。来場者をモデルにして、カメラで見た画像を解析して、ロボットアームがボールペンで描く。デッサンのやり方を学習させた A I が描いているわけだが、そこらの素人よりずっとうまい。
まだ人間が描く素描に近付こうとしている段階だが、やがては、うまさの基準そのものを変えてしまうような、 A I でしか描けない作品を描くようになるのかもしれない。卓球ロボットが人間より強くなり、囲碁・将棋の A I がプロより強くなった昨今だからあり得るだろう。


もっとも巨匠の素描は、ただの描写ではなく、主観性に溢れているから、そこまでいくのかどうか? ちなみに「A I を恐れる人は、知能と意識を混同している」という。卓球・囲碁・将棋はルールがあるから「知能」で勝負できるが、ルールがなく、「意識」が問題の絵画は違うのだろう。逆にいうと「絵画の技法」や「上手な絵の描き方」といった ”ルール” を学ぶのでは、 A I が学習するのと同じだから、人間は勝てないのかもしれない。

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