横浜にあるミニ・シアター「シネマ・ノヴェチェント」は、客席数がわずか 28 の日本最小を誇る(?)映画館。そしてフィルム映画にこだわっている。正月特別企画として、1920 年代のサイレント映画を活弁付きで上映する(2本立てで入場料 4000 円と高い)というので観に行った。映画が「活動写真」と呼ばれた大正時代のまま、弁士と生伴奏付きでサイレント映画を観るという貴重な体験ができた。
1本目は、「ロスト・ワールド」。学者が、絶滅したはずの恐竜がアマゾンの奥地にまだ生きていることを証明するために、捕獲して持ち帰ろうとする冒険映画。「ジュラシック・パーク」や「キングコング」などの元祖のような映画で、特撮技術も 100 年前にしてはなかなかのもの。オリジナルフィルムが完全な形で残っていないので、ストーリーが途中でブツ切れになってしまうのが面白い。
2本目が見たかった本命で、1922 年 F・W・ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」。小説の「ドラキュラ」を映画化したもの。有名な「カリガリ博士」や「メトロポリス」などと並んで、1920 年代ドイツ表現主義映画を代表する名作のひとつ。絵画の表現主義もそうだが、人間の内面の精神を描こうとする時代、映画もこのような、幻想映画や怪奇映画が盛んに作られた。
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