理由を調べたが、クリムトの解説書には、「正方形へのこだわりの理由についてクリムトは何も語っていない。」とあるだけで、要するに分からないということらしい。(「クリムト 生涯と作品」より)
今年の「クリムト展」でも風景画があまりなかったように、クリムトに風景の印象がないが、全作品の4分の1が風景画だそうで、これは全てが正方形だという。(「クリムト 生涯と作品」より)
横への広がりのない風景は、一部だけを切り取ってズームアップしたような密度感がある。クリムトは、風景や人物を自然のままでなく、象徴として描いたから、対象物の縦横に従って画面を縦長や横長にすることを否定し、どちらでもない正方形によって象徴性を際だたせようとしたのではないか。
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