横浜のアール・デコについて調べていたら面白いことがわかった。横浜の橋の築年は昭和3~ 4年に集中しているのだが、理由は関東大震災で壊れた橋を一斉に再建したためで、それらは「復興橋」と呼ばれた。効率化のため構造設計は標準化したが、デザインはひとつずつ個性化しようとした。しかし設計者不足だったので東京芸術大学建築学科の学生が動員されたそうだ。一人ずつ各橋を担当して何十もの橋を一斉に作ったが、当時はアール・デコ全盛の時代だからスタイルは皆その影響を受けている。現存している橋にそれを見ることができるのだから面白い。(参考:「橋の空間演出」「横浜の土木遺産」)
そんな橋を実際に巡ってみた。親柱(親柱は橋の構造とは関係ないモニュメント的なもの )のデザインに作者の個性が現れている。
(左)車橋:円柱をテーマにしたエレガントなデザイン
(中)翁橋:いかにもアール・デコのレリーフが素晴らしい
(右)谷戸橋:にぎやかだが少しもっさりしている
花園橋(移築されて現在は港中学校門柱)
最高傑作がこれ。表面的でない力強い構造的な造形。作者の造形力の高さを感じる。
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