今日、3 / 14 は「円周率の日」だと TV で言っていた。誰が何の目的で決めたのか知らないが、相変わらず語呂合わせのくだらない”記念日” だ。
「ゆとり教育」は 2002 年から2011 年まで約十年間続いたが、その間の日本の子供の学力低下は激しかった。その代表が円周率を「3」として教えるという文科省の学習指導要領だった。(実際は、計算を簡単にするために、小数点以下一桁までという方針のもとで、「3」ではなく、「3でもいい」といういことだったらしいが。) 円周率は数学の不思議さや面白さを感じさせる入り口だと思うが、数学(算数)を暗記科目としか認識していない文科省の愚かな政策だった。小学生の孫に、円周率はいくつと教わってる?と聞いたら「3 . 14」と言ったので、今は「3」が廃止されているようで安心したが。
ゆとり教育の時代に、ある大学の教育学部の教授は円周率について、円周率の数値よりも円周率の意味が分かっていないことが問題だとして、小学生に実験的な授業をした結果を報告している。実に興味深い内容だ。まず一人一人に缶ジュースを配る。そして、缶の高さと円周はどちらが長いと思いますかと質問する。全員が「高さ」と答える。(我々大人でもそう思うだろう)ところが実際に測らせると円周の方がずっと長いことがわかり皆びっくりする。そして次に、円の直径と円周の長さを測らせる。そして、両者の比率を割り算で計算させると、「3 . 14」という答えがでる。円周が直径の3倍以上あることを知り、またびっくりする。そして円周率の意味を理解する。(この論文は、立花正男「円周率の指導について」で、ネットで読める)
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