San-Exupery
箱根の「星の王子さまミュージアム」へ久しぶりで訪れようと思ったら、3月いっぱいで閉館になっていた。タッチの差だった。園内はフランスの街並みや庭園を再現していて、その中にサン・テクジュぺリの遺品や、著作にまつわる資料などを展示するミュージアムがあった。
民間航空路線の開拓期に、南米とヨーロッパを結ぶ航空郵便機の飛行士だったサン・テクジュぺリは墜落事故などを何度も経験するが、それもとに「南方郵便機」や「夜間飛行」などの傑作を書いた。砂漠の真ん中に不時着した経験をもとに書いたのが「星の王子さま」だった。(数年前の「リトルプリンス」は、サン・テクジュぺリの生涯と「星の王子さま」の物語を組み合わせたアニメ映画だったが、そこでも不時着した飛行機が登場していた。)第二次世界大戦時には志願してフランス空軍のパイロットになるが、地中海に墜落して消息を絶つ。
「夜間飛行」をもう一度読んでみた。単発複葉機の郵便機が大西洋上で暴風雨に巻き込まれ、墜落の危機に直面している。生死の狭間で必死に飛び続ける飛行士の内省的な瞑想を描いている。展開は劇的だが、文章は詩的で繊細かつ透明だ。(同書にサン・テクジュぺリの飛行機の写真が載っている。)
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