2020年4月22日水曜日

ウィルスの生き残り戦略

Virus's survival strategy

「銃・病原菌・鉄」は、生存のために闘ってきた人類の歴史だが、感染症をウィルス側からみた生存戦略として書いていて面白い。

ウィルスは、より多くの子孫を残して生き残るために、できるだけたくさんの人に効率よく感染させるような様々な戦略をとる。今度の新型コロナの場合は、感染してもすぐに発症させないことで、気づかないまま動き回ってもらうという、うまい戦略を取っている。いまだ自粛することなく、出歩く人が絶えないから戦略は大成功だ。

ウィルスにとっては、自分の住む場所である人間を簡単に死なせるのは自滅行為になる。生き永らえてもらって、たくさんの人に感染してもらうため、致死率はほどほどにする。その例がエイズで、初めは毒性が強く、たくさんの人を殺してしまったのを反省して、現在では毒性の弱いものに進化した。おかげで人間の死者は減ったが、ウィルスもしっかり生き延びている。

ウィルスは進化しながら、人間に適応して生き続ける。そして時々「新型」にバージョンアップすることで、できている免疫を無効にしてしまう。またワクチンや治療薬で絶滅できたウィルスは一つもない(天然痘だけが例外)から、インフルエンザなどは、毎年のように流行する。ウィルスほど賢くない人間としては、感染拡大をできるだけコントロールできる範囲に抑えて「感染症との共生」(感染症の専門家による)をするしかない。

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