Trompe l'oeil
前回紹介した「だまし絵、もうひとつの美術史」に究極のだまし絵がのっていた。イーゼルの上に描きかけの絵や下絵などがあり、画家が制作中の光景を描いた絵だ。ただし背景の本棚などは本物で、絵ではない。つまりイーゼルや絵の部分だけをキャンバスから切り抜いて立てかけている。背景はいくらリアルに描いても周囲の環境に溶け込ませることは不可能だから、モチーフ部分だけを切り抜いてしまえば、絵だと気づかれずに本物と思わせることができる。学生時代に似たようなことをやったのを思い出した。ユニット家具のデザインをした時に作った5分の1くらいの縮尺模型で。同じ縮尺の人間の写真を切り抜いたものをそばに立てかけて写真を撮った。すると実寸の本物の家具に見えてしまう。だまし絵ならぬ「だまし写真」だ。
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