アンジェイ・ワイダ監督が去年秋に亡くなったが、その遺作「残像」が公開されている。
戦後、ソ連の支配下に置かれたポーランドは、スターリンの「社会主義リアリズム」が政府公認芸術になり、進歩的な芸術は弾圧される。この映画はその犠牲になりながらも死ぬまで抵抗し続けた実在の画家の物語。
自身も全体主義に抵抗し反独反ソを貫いたアンジェイ・ワイダ監督が、その生涯をこの画家に重ね合わせて描いている遺言のような作品だ。シンボリックな画面・・・画家の部屋の中が突然真っ赤になるのだが、それは窓の外に巨大なスターリンの垂れ幕が掲げられたからだった。ワイダ監督らしい強烈な映像表現だ。(岩波ホールにて上映中)
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