「 SAPIENS : A Brief History of Humankind 」
先月の5月 22 日は「国際生物多様性の日」という国連の定めた国際デーだった。200 万年前にアフリカで生まれた人類は、全世界へ生存圏を広げていくが、その間に、人類は無数の生物を絶滅させてきた。歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは「サピエンス全史」で、この問題を人類史の視点から語っている。
30 万年前に人類は「火」を使えるようになる。明るさと暖かさを手に入れただけでなく、「調理」をすることが可能になる。それまで人間が消化できなかった動植物が食べられる食料になる。
そのため人類は「腸」に使っていたエネルギーを「脳」に回せることができ、脳が進化していった。それで「言語」を使うようになり、仲間同士のコミュニケーションによって、組織的な共同作業ができるようになる。何十人もの集団作業で、野生動物の群れを狭い谷に追い込むなどといった手法で、群れ全体をまとめて殺戮できた。
人類は食料を求めて生存領域を広げていく。例えば、アザラシやマンモスといった脂の乗ったら美味しい大型哺乳類がいる北極圏へも進出する。そして発達した狩猟技術によって動物たちは犠牲になる。こうしてアフリカで生まれた人類は、ヨーロッパやアジアに広がり、やがてアメリカ大陸やオーストラリアなどへも到達する。その過程で各地の固有動物が死に絶えていった。
こうして人類が行く所どこでも大絶滅が起こり、推定では、かつて生きていた全動物種の 80 % ~ 90 % は絶滅して現在は生存していないという。人類が 200 万年も生き続けてこられたのは、人間が地球上の最も危険な生き物になったからだ。殺された動物たちは、「"生物多様性" だって? なにをいまさら」と言っているかもしれない。
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