この車は、恩師の佐藤章蔵氏のデザイン。氏は1950~1960年代にかけて、初代ブルーバードや、トヨタに移ってからは、かの有名なトヨタスポーツS800もデザインした。日本の自動車産業がまだ黎明期だった当時、オリジナル日本デザインの自動車を生み出したスーパーデザイナーだった。
氏はまた、クラシックカーの研究者としても有名で、1970年頃だったか「カーグラフィック」誌に連載で自筆の絵入りの記事を書いていた。取り上げるのは、車が最も美しかった時代といわれる1920年代の「ビンテージカー」で、絵は水彩で描いていた。カッコイイけど表面の鉄板しか描いていないレンダリングのような絵ではなく、車のどっしりした重厚感や気品が伝わってくる絵だった。当時、氏が実際にその絵を描いているところをそばで見れたのは、じつに幸運だった。
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