2025年4月15日火曜日

「デジタル・ネイティブ」と「デジタル移民」

 Digital Native & Digital Immigrant

「デジタル・ネイティブ」・「デジタル移民」の言葉が生まれたのはスマホが普及し始めた 20 年くらい前だった。生まれた時からゲームなどのデジタルが当たり前の世代が「デジタル・ネイティブ」で、その反対に大人になってからアナログからデジタルの世界へ引っ越してきた世代が「デジタル移民」だ。

自分は「デジタル移民」だが、身の回りにいる「デジタル・ネイティブ」の生態を見ていると面白い。一日中スマホを手に持って片時も離さない。そして自分の情報収集力はすごい・・と自分では思っている。ところが彼らは、新聞も読まないし TV も見ないし、本も読まない。情報源はスマホだけで、その情報が唯一絶対だと信じている。

先日のことだが、TV である事件のニュースがあったので、そのことを教えると、その「デジタル・ネイティブ」は即座にスマホで調べて、その事件は某国の陰謀によるものだという「真実」を教えてくれた。そして TV は本当のことを伝えていないとマスメディアの批判をした。ところがそのスマホ情報こそがフェイクニュースで、ウソだったことがすぐにわかった。

もうひとつ例がある。コロナの国産ワクチンが開発され、接種が始まったが、そのワクチンは危険だという情報がネットで流れた。その情報を仕入れた「デジタル・ネイティブ」は、ワクチンを打たないように忠告してくれたが、もちろんそれは偽情報だ。コロナの大流行の時にワクチンより安全でよく効くというふれこみでサプリメントを売って儲けた人間が発信元だ。

選挙でも、売名だけが目的の候補者が、パーフォーマンス演説をしてそれを SNS で発信すると、拡散されて、膨大な数の票を集めてしまう。投票するのはほとんどが「デジタル・ネイティブ」だ。しかし最近は、シニア世代も全員がスマホを使ってネット情報に接することが当たり前になっているから、今までのように「ネイティブ」と「移民」を世代で分けることはできなくなってきたのかもしれない。どの世代にしろ、ネット情報を何でもうのみにしたり、それが真実を伝えているとしてありがたがったりしないように注意が必要だ。


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