閑人の絵日記
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2018年8月16日木曜日
フェルメールのカーテン
The curtain of Vermeer
「フェルメール 光の王国展」(横浜そごう美術館)にあったこの「窓辺で手紙を読む女」は不思議な構図をしている。手前のカーテンの大きさが上下左右とも画面の大きさとぴったり同じになっている。だからカーテンを閉めたとすると画面全体がカーテンで覆われるはずだ。少し隙間を開けてその状態を作ってみたが、こんな感じになり、カーテンの隙間
から女性を覗き見している感覚になる。これは極端に誇張したいたずらだがフェルメール自身にもこんな意図があったのではないか。
「恋文」という作品でも、カーテンとドアで区切られた隙間ごしに手前の部屋から見ている構図で、この絵はさらに覗き見的視点がはっきりしている。この絵も女性が女中から手紙を受け取っている光景で、どちらも手紙がキーになっている。当時の絵画では手紙は秘め事の象徴だったから、その情景を覗き見的な感覚で描いたのだろう。
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