2014年3月6日木曜日

北海道の冬を描く

雪のある風景を描きたくて、たびたび冬の北海道へとネタ探しに行く。
その成果を振り返ってみた。

「残照 • 室蘭本線」アクリル  12号   (2013年)
室蘭へ向かう内浦湾に面した海沿いで見かけた風景。太陽はすでに水平線の下に沈んでいるが、残照が雲を下から照らしている。それをバックに室蘭本線の線路と踏切がある。踏切というのはどこか郷愁をそそられるものだが、ここはおあつらえむきの舞台になっている。踏切を越えて海岸まで行きたかったが、猛烈な寒さに耐えられず引き返した。

「寒風 • 積丹半島」水彩+ガッシュ  10号   (2011年 高潮展)
函館を朝出発し、日本海沿いを走り夕方小樽に着くコースは何度か行っているが、途中は山が海にせまっている険しい感じの風景がずっと続く。快晴の日はほとんどなく、どんより曇っているが、この日は雲の間からうっすらと日がさし、雪が輝いた。その輝きを出したいと思い、雪や雲をガッシュの白を使って描いてみた。紙の白を活かす普通の水彩画と逆なので、パステル画用のグレーのカラーペーパーに描いた。


「冬の貯水池」パステル  10号 (2011年  高潮展)
洞爺湖から日本海へ抜けるには山越えをしなければならないが、ここはほとんどの道が「積雪のため通行禁止」の標識が出ている危険地帯だが、それにひるんでいてはいい景色に出会えない。このあたりは尻別川の上流とその支流がたくさん流れていて、それをめざして行く。そんな川をせきとめた貯水池を見つけた。人っこ一人いない、しんと静まりかえった光景だ。

「朝の運河」パステル  40号  (2012年  現代パステル協会展)
小樽で宿泊したホテルがこの観光名所のすぐそばだったので、朝、夜明けととに散歩に出かけた。レンガ倉庫からツララが下がり、運河も凍っている。猛烈に寒いが、暖かい朝日が射し込んできてほっとさせられる。

「夜明けの漁港」パステル 8号   (2007年)
オホーツク海に面した紋別という小さい町に泊まった。ホテルの宿泊客は見事に自分一人だけ。東向きの海に面した部屋なので、日の出が見れるはずだと思い、目覚ましをかけて寝る。予想どうり素晴らしい日の出だった。



2014年2月24日月曜日

パステル画の下塗りについて

パステル画を始めた頃、どうして専門家のパステル画は色の厚みや深みがあって、「柔らかさ」「優しさ」「淡さ」といったいわゆるパステル画のイメージとはずいぶん違う絵が描けていることを不思議に思っていた。ある時、プロの人にそれを聞いたらあきれ顔で、「水彩やアクリルで下塗りをしないとだめですよ。下塗りなしでパステルだけで描いている人なんかいないですよ。」と言われてしまった。それから自分なりに下塗りをいろいろ試してみるようになった。

パステルは色のスキマから下地の紙の色が透けて見え、完全に隠蔽することができず、スカスカしたようになってしまう。だから、あらかじめ下にパステルと同じ色を塗っておくことで、紙の色が見えないようにする。さらに、下に塗る色を工夫することで、いろいろな効果が出せることが分かってきた。下地が見えてしまうことを逆用して、例えば補色を塗っておくとか、明るい部分に暗い色を塗っておくとかすると、パステルを乗せたとき、面白い効果がでる。

そして、どんな下塗りをするか、下塗りをどう利用するかによって、人それぞれのパステル画が生まれる。パステル画の技法書に載っていた下塗り(underpainting)の事例を3つほど紹介します。




2014年2月20日木曜日

パステルでCINZANOを描く

イタリーのお酒、CINZANOが好き(中身でなくボトルのデザインが)で、絵のモチーフとして愛用している。今回はパステルで描いたが、途中経過をまめに写真に記録してみた。

                                                                 1. 鉛筆デッサンに大真面目で取り組む。

           2. デッサンの上に水彩の単色(紫色)で明暗のトーンを着ける。      

                  3. さらに水彩で固有色を乗せる。

4.パステルの段階へ入り、水彩の下塗りは、塗りつぶされるが、紫色が微妙に透けて見える。

           5. 暗部の変化づけや、ハイライトの強調などの調整をして終了。


2014年1月31日金曜日

廃屋コレクション

廃屋が好きで、あちこち探しては、写真に撮っている。とくに北海道には、そこらじゅう廃屋を見つけることができるので、毎年のように出かけている。もと漁師小屋だったり牧舎だったものが放置され、雪の重みで歪んだり屋根が抜けたりしているが、その造形がとてもおもしろく、絵の題材にしたくなる。また、積雪やさびれた海岸などとの組み合わせで、さびしくも、どこか懐かしいような風景が多く魅力的だ。集めたMy廃屋コレクションから代表的なものを紹介したい。


2014年1月14日火曜日

眺めのいい店 in 横浜(その2)

横浜は中心部でも緑が多い。樹木に囲まれた気持ちのいいカフェを二つ紹介します。両方とも、わりとよく知られている店なので、ご存知の方も多いと思います。

「Au Jardin de Perry」@ 横浜開港資料館
昭和の初めにイギリス領事館として建てられたレトロな建物だが、現在は横浜の歴史を展示するミュージアムになっている。門を入ってすぐの庭園内にある喫茶室で、名前はペリー提督にちなんでいる。けやきの大木に囲まれていてとても落ち着ける店。


「Jack Cafe」@ 開港広場
上の開港資料館と道路をはさんだ向かい側にあるカフェ。ここも大木に囲まれていて、夏でも涼しい。特に5月には新緑がきれいで、オープンテラスでビールを飲みながらホットドックか何かで軽く昼食などして、とても気持ちよく過ごせる。




2014年1月9日木曜日

眺めのいい店 in 横浜(その1)

横浜は高台が多く、また海に面しているので、眺めのいい店がたくさんあります。年のせいで味覚喪失ぎみの閑人が、味よりも眺め優先で店を紹介します。

「The Cafe」@ ホテルニューグランド
山下公園の向かいにあるこの老舗ホテルは、ナポリタン発祥の地として有名。赤いテントの窓が印象的なカフェレストランで、いちょう並木を眺めながら元祖ナポリタンを食べることができる。


「Atlantic」 @ ベイクォーター
横浜駅東口からすぐのベイクォーターは、海に浮かんだ大型客船のような外観。いい店がたくさんあるが、シーフードレストランの「アトランティック」はおすすめ。テラス席があるので、夏などに海を眺めながら食事をすると、ちょっとしたリゾート気分になれる。


 ●「Dolphin」 @ 山手
ユーミンの昔の曲「海をながめていた午後」のモデルになったレストラン。店内は4面すべてガラス張りで、歌詞にある「晴れた日には三浦半島が見える」のとおりの眺め。ランチをしながら、まさに海をながめながら午後のひとときを過ごせる。わが家から徒歩40分なので絶好の散歩コースでもある。


2013年12月25日水曜日

大岡川散歩(その2)

横浜市内を流れる大岡川沿いを、ひまにまかせて散歩しています。前回は河口近くを紹介しましたが、今回はもっと上流へ向かいます。

桜木町駅から20分位歩いた野毛のあたりの大岡川。両岸の並木が気持ちいい。画面右に端だけ見える2階建の建物は、”飲み屋の長屋” で、間口一間くらいの小さいバーやスナックが数十軒並んでいる珍しい場所です。



京急の弘明寺(ぐみょうじ)という駅のあたりの住宅地域を流れる大岡川です。春になると、両岸の桜並木がすばらしい場所です。



川の源流に行ってみました。JR洋光台駅からバスで少し行くと、氷取沢(ひとりざわ)という広い森が広がる地域があります。足もとをチョロチョロ流れるささやかな小川が源流です。ここが一時間たらずで行ける横浜市内とは思えない静けさです。