「BARBENHEIMER」
去年(2023 年)夏のほぼ同時にアメリカで「バービー」と「オッペンハイマー」が公開された。そのとき、二つをくっつけた画像が SNS に投稿されて話題を呼んだ。「Barbie」と「Oppenheimer」をつなげた「Barbenheimer」(「バーベンハイマー」)を映画ポスター風にした悪ふざけ画像だ。この画像に「バービー」の映画会社(ワーナー)が「いいね」をして宣伝に利用したので、大ひんしゅくを買った。日本ワーナーも本社に抗議したので、ワーナーは謝罪に追い込まれた。そして先月のアカデミー賞発表で作品賞を受賞したのは、興行成績 No.1 の「バービー」ではなく、「オッペンハイマー」だった。おバカ映画が受賞しなかったことで、ハリウッドにまだ良識があることがわかって安心した。
この騒動の根底にあるのは、原爆に対する日米の意識の差だと言われる。原爆投下は戦争を終わらせるためで正当だったと考えるのがアメリカの大多数の世論だから「バービー」のように原爆を茶化すようなことが起こる。一方で、原爆を単純に悪だとするだけでは済まないもっと大きな問題があることを「オッペンハイマー」は気づかせてくれる。
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