Hopper & Wyeth
二つの絵を比べてみる ⑥ 外を眺める女性、ホッパーとワイエス
アメリカン・リアリズムのホッパーとワイエスの絵には、どちらも、ある種の「懐かしさ」を感じる。
ホッパーの「朝の太陽」は、夜の仕事をしている女性が、朝の遅い時間に起きて、けだるそうに街を眺めている。都会に暮らす人の倦怠感や孤独感などのメランコリーな気分を描いている。
ワイエスの「クリスティーナ・オルソン」は、女性が戸口から外を眺めている。足が不自由で、歩けなかった彼女は、昔からずっとこの家に住んで、同じ風景を毎日眺めてきた。
二つはテーマやモチーフがよく似ている。外から差し込む日差しによる光と影のパターンで構図を作っている点も同じ。しかし二人の見ているものは対照的で、「都会の憂愁」と「田舎の郷愁」だろう。
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