Matisse
2つの絵を比べてみる ⑤ マティスの2つの窓の絵
マティスに「コリウールのフランス窓」という同じ題名の絵が二つある。1作目は 1 9 0 5 年の作で、2作目は 1 9 1 4 年の作だが、同題名でありながら、9年の間に絵は一変する。
1作目は、華やかな色調と軽いタッチで、いかにもマティスらしい。南フランスの海を、別荘らしき部屋の窓越しに描いていて、明るい雰囲気が伝わってくる。
2作目は一変して夜の風景で、中央が黒で塗りつぶされている。具象性が消えて、題名が「窓」でなければ、窓に見えない。垂直線が画面を4つの平面に分割していて、抽象絵画になりかけている。
1 9 1 4 年といえば、カンディンスキーの抽象主義絵画などの、絵画の変化が始まった時期だから、その影響があると思う。
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