2020年2月23日日曜日

カスパー・ダヴィッド・フリードリッヒの世界観

Casper David Fredrich

ある電機メーカーの広告に使われている写真だが、人物(たぶん合成)の効果で、「風景」が「人が見ている風景」に変わる。ドイツ・ロマン主義の巨匠カスパー・ダヴィッド・フリードリッヒの「雲海の上の旅人」を思い出した。

印象派などは特にそうだが、絵は自然を美しく優しいものとして描く。だがフリードリッヒは、崇高で畏れ多い、人間を超越したものとして自然を描いた。近寄り難い存在なので、第三者的に外から見ている。だから風景を見ている後ろ姿の人間を描いている。







代表作の「海辺の修道士」でも、暗くなりかけた空に向かって修道僧が祈っている。崇高な自然と、ちっぽけな人間が対比されている。

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